「東北のゴジラ」がゴリラになった!? 楽天ドラフト2位ルーキー安田悠馬捕手(21=愛知大)がヤクルトとの練習試合で実戦初本塁打を放った。6-0の7回2死二塁、木沢の初球、高め真っすぐを強振し、中越えへ豪快な推定130メートル2ラン。チーム4本塁打の最後を締めた。ダイヤモンドを1周し、盛り上がるベンチの前で胸をゴリラのようにバンバンたたいた。「自然と出ました」と興奮を隠さなかった。

【関連記事】楽天ニュース一覧

出場4試合目、12打席目での初アーチは、己を貫いた結果だ。木沢には6回先頭で二ゴロに倒れた。高め直球に空振りもした。「当たらなかったけど、しっかりフルスイングしよう」と、次の打席も当てにいくことはしなかった。2回の第1打席では高梨にバットを折られる二飛。タイミングのズレを痛感した。「打ちたい欲が強いと、ステップが前にいってしまう」。投手側の右足は地面に置くだけ。狭いステップ幅を意識した。打席で修正を重ね、最後に1発が飛び出した。

ベンチに戻ると、石井GM兼監督から「ボールが戻ってきたぞ」と、まさかのホームランボール? ではなく、サーターアンダギーを渡された。指揮官のジョークにも「(ボールに)サイン下さい」と、とっさに切り返した。その監督は「どんどん壁にぶち当たって欲しい。僕がピッチャーだったら、いっぱい抑えるところがある。それをそぎ落として。目先の結果を求めるスイングにはして欲しくない」と期待を込めた。打席機会を与えるため、初めて一塁で出場させた。思いに応える“1発回答”だった。【古川真弥】