ドラ1の剛腕を見せつけた! 広島ドラフト1位の黒原拓未投手(22=関学大)が、巨人との練習試合で対外試合に初登板。走者の有無にかかわらず、クイックモーション投法だったこれまでと一変、右足を上げるフォームから左腕を振った。力のある直球を軸に、切れ味鋭いカットボールを交えて3者連続で三振を奪い、1回無失点。これ以上ない内容、結果で実戦デビューを飾った。

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黒原は1点を先制した直後、6回からマウンドへ上がった。先頭の八百板から大城、増田陸と3人全て空振り三振。ドラ1左腕の快投デビューを見届け、三塁側内野スタンドのファンから温かい拍手を送られた。「抑えられたのは本当に良かったが、ここで一喜一憂せずに。シーズンは長いし、1試合だけいい投球をしても意味がない。いいピッチングをシーズン通して、長くやっていければ」。引き締まった表情で“初実戦”を振り返った。

15日のシート打撃登板が分岐点だった。打者11人と対戦し8安打。大学時代から無走者でもクイックで投じてきたが、かえって、打者がタイミングを取り易くなっているのではと、佐々岡監督から指摘された。その日の全体練習後から、右足をゆったり上げるフォームで、シャドーピッチングを繰り返すなど修正。足をゆったり上げるのは「大学3年時以来」だった。「前回シート打撃で全然思った通りにいかなくて、悔しい思いをした。いいところを見せたいと思って」。強い気持ちを保って試合を待った。

中3日で修正し、17球のうちクイックは1球。新スタイルでフェアゾーンには、1球も飛ばさせなかった。「結果が出たといってもまだ1試合、1イニング。バッター3人しか投げていない。これを維持するのが難しいと思う。そういうところを満足せずに、突き詰めていきたいと思う」。ドラフト1位左腕は、地に足つけて次の登板を待つ。【前山慎治】