首脳陣ヒヤリ。広島大瀬良大地投手(30)が20日、沖縄キャンプで今年初めて実戦形式のシート打撃に登板し、打者6人に1安打1四球2奪三振だった。予定の2巡目は「軽く張りが出た」ため回避。気温が低いことなどから大事を取ったもので、その後は全ての練習メニューを消化した。佐々岡監督は「そこまで心配することはないということだった。次の登板に支障はない」と安堵(あんど)した。今後の調整に変更はなく、オープン戦の開幕戦となる26日巨人戦に先発することも明かされた。

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予定の球数は投げられなかったものの、内容ある登板となった。左打者の外角への出し入れ、変化球の精度に手応えを得た。最後は長くバッテリーを組む会沢と2度目の対戦。1ストライクからフォークで空振りを奪い、最後はスライダーで空振り三振に切った。「昨年いいときのフォークの感覚で投げることができて、空振りも取れた。フォークに関してはすごく手応えがある」。宝刀カットボールやスライダーと横変化の球種を軸とする大瀬良にとって、縦変化の球種の質向上は投球の幅を大きく広げる。

実戦に近い登板で得た収穫と課題はどちらも次のステップにつながる。「今日くらいの力感で、あれだけファウル、空振りを取れた。十分いい感じで来ていると思います。もう2、3個くらい上げていけるという感覚があるので、しっかり体を整えてやっていければ」。表情は明るく、不安はない。有力視される開幕投手へ向け、またひとつ階段を上がった。【前原淳】