日本ハム新庄剛志監督(50)があたためる仰天プランが22日、浮上した。23日の中日との練習試合(名護)は、現役最多784登板、すべて救援でマウンドに上がっている宮西尚生投手(36)が先発する。野手も内外野をシャッフルして起用するBIGBOSS。鉄腕リリーバーの先発も、単なる調整登板の“1番手”とは違い、公式戦でも実現する可能性があるための“予行演習”となる。

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BIGBOSS采配なら可能性は否定できない。歴代最多373ホールドを挙げているブルペンのスペシャリスト・宮西が、23日中日戦で真っさらなマウンドに上がる。現役時代に一緒にプレーした武田投手コーチは、23日の先発を問われ「宮西です。ハハハッ。まさかの宮西」と思わず笑いながら明かした。

13年に左肩痛からの復帰の過程で、1度だけ2軍戦に先発したことがあるが、今回は事情が違う。同コーチは「どこも対応できるようにしておこうという話はして(宮西も)理解のもと、やっています」。調整の意味合いではなく、“本番”を見据えての準備だという。

今キャンプは外野手の万波を三塁、内野手の野村を左翼で起用するなど、野手陣のポジションをシャッフルしてきた。公式戦での実現についても、BIGBOSSは「分からない」と否定はしておらず、今回はさらに投手版シャッフル構想も露見した。

先発転向ではないため、長いイニングを投げることはないだろうが、オープナーのように宮西が先発マウンドに上がることは「もちろんあると思う」(武田コーチ)。首脳陣の間でも具体的に話が進んでいる段階ではないが、同コーチは「経験しないよりは経験しておいて準備しておこう」と、サプライズ起用へ“免疫”を付けるのが狙いだ。

新庄監督はBIG組(1軍)休日のこの日、BOSS組(2軍)の中日戦(名護)を視察。試合中には三塁側ベンチで中日片岡2軍監督と握手する姿もあった。「まずはやってみる。失敗したら、また考えたらいい。やらないと分からない」は、BIGBOSSの口癖。全ての可能性を見据えて、選手らも調整を進めていく。【木下大輔】

◆通算500試合以上登板で先発0は6人 宮西(日本ハム)は通算784試合に登板して先発がまだない。プロ初登板から784試合連続救援は五十嵐(ヤクルト)の823試合に次ぐ2位の記録で、通算500試合以上で先発0は五十嵐、宮西、藤田(ソフトバンク)600試合、益田(ロッテ)593試合、武田久(日本ハム)534試合、高橋聡(阪神)の6人だけ。通算1002試合の岩瀬(中日)は先発1試合、通算642試合の山口(巨人)は先発2試合だったが、初先発は岩瀬が通算123試合目の00年10月8日広島戦、山口は通算173試合目の10年4月3日広島戦。初先発が最も遅かったのは19年9月27日マシソン(巨人)の通算421試合目。阿部の引退試合で先発バッテリーを組んだ。

○…伊藤もBIGBOSS改革に従う姿勢を見せた。「臨機応変に、BIGBOSSの言ったことに対して何でも応えられる選手になりたい。先発もいけて、後ろでもいけて、なんなら連投も」と貪欲だった。キャンプ初登板となった中日との2軍戦では1回を無安打無失点1三振。最速148キロをマークした。

<新庄BIGBOSSの奇想天外なアイデア>

★ガラポンで打順決定 11日阪神戦では、福引で使われるガラポンを使用して打順を決定。選手自らが抽選器をまわし、「4番」には大当たりのベルが

★臨時コーチ集団 各界のスペシャリストに声を掛け、「新庄殿の8人」を結集。元陸上10種競技日本王者で日本フェンシング協会の会長を務める武井壮氏や、元阪神の赤星憲広氏が次々に来場

★移動は派手に 遠征地へは約3000万円の高級車ランボルギーニ・ウルスで移動。名護と2軍の国頭間は大型3輪車(トライク)を使い、敷地内の移動は真っ赤な電動キックボードで

★独特な練習メニュー 低い送球を意識させるために、的としてフラフープを使用。本塁にスライディングしながらベースに置かれたテニスボールを触る“神の手”練習も

★背中には「BIGBOSS」 15日の巨人戦では背中が「SHINJO」ではなく「BIGBOSS」と書かれたユニホームを着用。「登録は新庄とビッグボスなので。どっち着てもいいのかな」