阪神の開幕4番は佐藤輝明内野手(22)で決定的になった。甲子園で全体練習が行われた10日、井上ヘッドコーチが基本構想として明かした。当初は大山と分け合っていた4番の座だが、オープン戦ここ5試合連続で4番は佐藤輝。その事実が示す通りの開幕プランが進行していた。

【関連記事】阪神ニュース一覧

「今の流れでいけばそうでしょ。シーズンに入って大山がぐっ~と来たら大山が4番になることはある。そういうオーダーで来ているということは、4番に関して輝が1歩リードというのは皆さんが思うところ。それは俺らもそうだから」

進化の跡を見せ続けてきた2年目の大砲。オープン戦打率もチームトップの3割3分3厘。同ヘッドは「4番を打たせていて内容がハチャメチャじゃない」と数字以外にも注目する。本塁打こそないが、重責を任せるに足ると判断した。

前日9日には昨年同じ大卒新人で活躍したDeNAの牧が開幕4番に指名された。佐藤輝は「すごい打っているみたいで、すごいなと。僕も頑張ろうと思う」と刺激を受けた。井上ヘッドの発言より前に、4番打者について改めて聞かれると「4番目に打つということじゃないですか?」と笑って返した。続けて「矢野監督の任せる4番は『主砲』なのかなと思うけど、意識してもいいことが起こるわけではない。しっかりベストを尽くしたいという思いだけ」と冷静に話した。

大注目の4番争いは自然な流れで“決着”。3月25日のヤクルト戦は22年猛虎打線の顔として、打席に立つ。【柏原誠】

▼2リーグ制後、阪神の開幕4番を務めた打者は、外国人選手を除くと19人(1リーグ時代に開幕4番経験のある藤村富美男除く)いる。そのうち最年少は、59年に当時21歳で務めた藤本勝巳。高卒4年目だった。佐藤輝が入団2年目で開幕4番を務めれば、球団では51年の渡辺博之以来71年ぶり。23歳での大役は藤本に次ぐ2番目の若さとなる。移籍加入の選手で開幕4番は、ほとんどが10年目、30歳以上の選手で、最年長の開幕4番は10年に当時41歳(19年目)で務めた金本知憲。