広島松山竜平外野手(36)が、11日のオープン戦・日本ハム戦(マツダスタジアム)に「4番一塁」で出場した。

3-1の6回1死から右翼ポール際へ今季“1号”。実績を考慮され、春季キャンプ以降は2軍調整を続けていたが、この日から1軍合流。今季1軍初実戦でいきなりアーチをかけた。4回1死でも中前打を放ち、3打数2安打。チーム生え抜き最年長が、仕上がりの良好さをバットで証明した。

【ニッカン式スコア】広島ー日本ハム 詳細スコア

松山は、下手投げの変則右腕の半速球を鋭いスイングではじき返した。打った瞬間、それと分かる当たり。右手でバットを掲げ、放物線を見送った。3-1の6回1死、この回からマウンドに上がった日本ハムのアンダースロー右腕・鈴木健と対戦。「いろんな投手と対戦したきた中で、(打ち方の)イメージはこの打ち方かなというのはあった」と変則投手の低めスライダーを強振。右翼ポール際へのソロにした。「しっかり振って甘い球を仕留められた」。手応え十分の当たりだった。

今季は15年目の実績を考慮され、春季キャンプは2軍で調整してきた。11日に1軍に合流し、この試合が今季1軍初実戦。4回の中前打と合わせ3打数2安打と、上々の仕上がりを見せた。「(状態が)すごくいい。開幕までどんどん仕上げていきたい」。2週間後に迫った開幕に向け、着実にコンディションを整えている。佐々岡監督も「2軍でしっかり調整してきた。やっぱりさすが、実績のある選手は違うところを見せてくれた」とうなずいた。

一方で未完成の部分もあった。中前打を放った4回1死の場面。先発池田の外角142キロの直球をファウルにした。「あれをファウルにしたのはもったいない。ヘッドの下がり方とか、そういうところを修正しないといけない」。結果としてこの打席では中前打を放ったが「修正点」と反省した。

「1年間ずっと出続けたい。しっかり残り試合もアピールして良い結果を出したい。とにかく優勝を目指してみんなで力を合わせて頑張りたい」

今季プロ15年目を迎えるベテランスラッガーが、静かに闘志を燃やしている。【前山慎治】