広島打線の核だ。広島小園海斗内野手(21)がロッテ戦(ZOZOマリン)で4安打の固め打ちで、6得点の打線をけん引した。積極性に加え、基本に忠実なセンター方向への打撃で安定感も増し、オープン戦打率は3割1分8厘に上昇。持ち味を生かしながら成長する若手の注目株は今季、3番のほか、5番や6番と打線の中軸が期待される。

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6得点を奪った広島打線を活性化させたのは、3番小園だった。1回1死一塁では引っ張って転がし、広くなった一、二塁間を破った。先制機につないで生還すると、走者のいない3回1死では強振で右中間を破る二塁打。6回は先頭打者としてセンター返しで出塁し、この日初めて得点圏に走者を置いた7回1死二塁でも再び中前にはじき返して打点を挙げた。昨季も45試合務めた3番として、状況に応じて役割をこなした。

「しっかり狙い球を絞って、イメージ通りに打つことができて良かった」

4安打に持ち味が詰まっていた。安打は1球目、2球目、3球目、2球目とすべて勝負が早い。オープン戦14安打に要した球数は33球と、積極打法を貫く。全安打のうち6安打は中堅方向と、センター中心の打撃が目立つ。東出輝裕野手総合コーチは「捉えられる球をしっかり捉えられている。だからヒットがいろんな方向に出ている」と成長を認める。

好球必打の精度が上がったことで、安定感も出てきた。6戦連続安打、4安打の固め打ちでオープン戦打率は3割1分8厘に上昇。「やってきたことをしっかり続けてやるだけだと思うので、それに限る」。全試合出場を掲げる4年目の今季、目先の結果に一喜一憂しない。それは中心選手としての覚悟でもある。佐々岡監督は「ひと皮もふた皮もむけているなと。結果も出ていますし、しっかり振れている」と評価する。

東出野手総合コーチは打順について「3、5、6番かな」と中軸を任せる考え。今季はチャンスメークだけでなく、クラッチヒッターとしても期待される。「必死になっていくのが自分の持ち味なので、それを忘れないようにやっていきたい」。若手の筆頭株は、鈴木を欠く広島新打線に欠かせぬ存在となっている。【前原淳】