広島の新外国人、ライアン・マクブルーム内野手(29=ロイヤルズ)が20日、ソフトバンク戦の試合前練習に合流した。調整のためで、試合出場の予定はない。左投げ右打ちの助っ人は左翼と一塁でノックを受けた後、フリー打撃の最終組に入って48スイングで柵越えは1本だった。コロナ禍により合流が遅くなったパワーヒッターの来日1年目がいよいよ始まる。

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3月20日午前9時51分。昨季3Aで32本塁打を放った待望の助っ人マクブルームが本拠地のグラウンドに足を踏み入れた。すでにグラウンドに集まっていた野手陣の視線を集め、ゆっくりと輪に加わった。西村通訳から「今日から練習に参加する」と紹介され、1歩前に出た。髪をかき上げ、帽子をかぶりなおし、自己紹介。

「ライアン・マクブルームです。ここに来られてうれしいですし、ワクワクしています。なんとかチームの助けになれるように頑張りたい。なんでもいいのでニックネームをつけてください。(呼び名の)基本はライアンとブルームです」

歓迎の拍手につつまれ、マクブルームの“初日”が始まった。上本や磯村らと会話しながら右翼フェンス際でウオーミングアップ。宇草とキャッチボールをし、左翼でノックを受けた。その後はグラブを一塁用に替え、内野ノック。内外野の守備を軽快にこなしていた。

パワーヒッターとして注目される中、フリー打撃では48スイングで1本の柵越え。「今日の打撃練習は、強く振る意識ではなく、体と相談しながら、良いスイングを心掛けながら振っていた」。中堅から右方向の逆方向へ打球を重ねた。これは調整段階のものではなく、「自分の特徴である中堅から右中間方向に打ち返すことを基本に」と説明し、シーズンを通して、逆方向への打球でアベレージを稼ぐタイプのようだ。

現状については「状態は85~90%。あとの10%は、2軍の試合に2、3試合でも出て上げていく」と1軍メンバー合流までのビジョンを語った。

「体もよく動いているし、調子もいい。まずは2軍で調整になるかもしれないが、とにかく早く1軍に上がってプレーできるように」。来日がずれ込んだ新大砲候補の1年目の幕が上がった。【前山慎治】

◆ライアン・マクブルーム 1992年4月9日生まれ。米国出身。マイナー通算134発を誇る助っ人スラッガー。昨季は3Aで115試合に出場し、打率2割6分1厘、32本塁打。主なポジションは一塁と外野。190センチ、99キロ。左投げ右打ち。