阪神ドラフト3位桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)の開幕ローテ入りが確定した。オリックスとのオープン戦(京セラドーム大阪)に先発し、5回3安打無失点。三塁を踏ませず5三振を奪う内容に、矢野監督は開幕カードでの先発について「そうなるんかなと思う」と明言。藤浪、小川に続き、3戦目の27日ヤクルト戦を託されることが確実となった。

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5回12失点と大炎上した13日の2軍中日戦から1週間。新人左腕はきっちり立て直し首脳陣を安心させた。「前回は(コースを)狙い過ぎてしまったので、アバウトでいくことを意識した」。打者18人のうち12人に初球ストライクを投げ込んだ。4回は先頭ラベロに二塁打を浴びるも、3番吉田正を中飛、4番杉本はスライダーで見逃し三振。いずれも決して厳しいコースではなかったが、大胆に攻め主導権を握った。「甘めにいってもバットの芯を外せた」と納得顔だ。

入団会見以降、目標は「開幕1軍」と地に足をつけて歩み続け、この日は「納得いく結果が出て自分の中でも自信になってきた。新人王を目標にしてやっていきたい」と“上方修正”をかけた。埼玉出身の22歳が、堂々とデビュー戦に向かう。【中野椋】

◆阪神今季の先発事情 当初開幕3戦目が確実視されていたガンケルが、3月上旬に腰の張りを訴え調整が遅れた。中継ぎと両にらみだった小川が「ジョーカー」として先発調整に切り替わった。さらに開幕投手に決まっていた青柳が新型コロナウイルスに感染。緊急事態を受け、2戦目の予定だった藤浪が開幕投手に繰り上がった。開幕6試合の先発が1枚欠けたが、小川が19日オリックス戦で6回2失点と好投して2戦目、桐敷は3戦目が確実となった。開幕2カード目は西勇、伊藤将、秋山が有力だ。

▼開幕カードに先発登板した、平成以降の阪神新人投手は過去5人。全員が最上位入団(自由枠、希望枠含む)で、21年3位指名の桐敷が先発すれば初の2位以下となる。なお勝利投手となったのは07年小嶋だけで、桐敷は続くことができるか。

◆桐敷拓馬(きりしき・たくま)1999年(平11)6月20日生まれ、埼玉県鴻巣市出身。屈巣(くす)小1年時に屈巣ニュースターズで野球を始め、川里中では行田リトルシニアでプレー。本庄東1年夏からベンチ入りし、同秋からエース。甲子園出場なし。新潟医療福祉大では1年秋に関甲新学生リーグ戦初登板。昨年阪神からドラフト3位指名を受けた直後、平成国際大戦でリーグ初の完全試合を同新記録の19奪三振で飾る。契約金6000万円、年俸1000万円。178センチ、90キロ。左投げ左打ち。(金額は推定)