チーム最年長の阪神糸井嘉男外野手(40)が左翼で開幕スタメンに起用されることが決定的となった。

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オリックスとのオープン戦最終戦に6番左翼でスタメン出場。状態が上がらない左翼本命のロハスは9番指名打者に入った。試合後、井上ヘッドコーチは「今のところこういう形がいいのかなと考えたオーダー」と話した。

この日の糸井は1打数無安打だったが、オープン戦は12試合、26打数9安打の打率3割4分6厘、7打点。本塁打2本は4番佐藤輝と並びチームトップと打ちまくった。井上ヘッドコーチは「左翼の候補の中で一番ベテランの糸井が調子いい。調子のいい人間を使いたい」と糸井当確の考えを明かした。

40歳以降で開幕スタメンとなれば、阪神では20年福留以来2年ぶり5人目となる。昨季は代打が主な役割だったが、今季はキャンプから若手に負けず精力的に動き、打撃好調を維持している。15日ソフトバンク戦で2号ソロを放った時には「まだグラウンドを駆け回りたいので」と、代打ではなくスタメン起用への強い思いを口にした。18日オリックス戦で2安打放った時には「もう開幕している気持ちでやっている。優勝して矢野さんを胴上げする。それだけを求めてずっとやっている」と、今季限りで退任する矢野監督を17年ぶりのリーグ優勝で送り出す強い思いを語っている。衰え知らずで元気いっぱいの40歳がスタメンでけん引し、昨季以上の開幕ダッシュの原動力となる。【石橋隆雄】

▼阪神で、40歳以上で開幕戦でスタメン出場した選手は過去4人。49年若林忠志、75年アルトマン、09~12年金本知憲、18~20年福留孝介。

▼開幕時に40歳7カ月の糸井は30代でも開幕戦に先発経験があり、スタメン復帰なら阪神野手では初となる。開幕投手では、30代で経験のある若林が41歳の49年に返り咲いている。球界全体で見ると、野手では18年の開幕時に42歳のロッテ福浦和也が、37歳だった13年以来5年ぶりに開幕戦で先発して以来。なお開幕投手では、20年に40歳のヤクルト石川雅規が、37歳の17年以来3年ぶりに務めた例がある。