マイナー通算134発の広島の新外国人、ライアン・マクブルーム内野手(29=ロイヤルズ)が20日、ソフトバンク戦(マツダスタジアム)の試合前練習で1軍に初合流した。

球界でも珍しい左投げ右打ちの主砲候補は左翼と一塁でノックを受け、フリー打撃で調整。25日の開幕戦は間に合わない見通しで、2軍戦で実戦を重ねる。だが、結果と内容次第では、最短29日の阪神との本拠地開幕戦でデビューする可能性もある。

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一挙手一投足に視線が集まった。昨季3Aで32本塁打を放った広島の新助っ人、マクブルームが初めて本拠地の土を踏んだ。「非常に素晴らしい球場。大リーグでもこれだけの球場はない」。壮観な球場をぐるりと見渡し、芝生の上で歩を進めた。すでに外野に集まっていた野手の輪に加わり、自己紹介。「ここに来られてうれしく、ワクワクしています。なんとかチームの助けになれるように頑張ります」。温かい拍手を浴び“初日”が始まった。

「歓迎してくれて良い雰囲気の中で初日を迎えさせてもらった。素晴らしいチームメートだと思う」。チームが、ファンが待ちわびていた新助っ人が、ようやく1軍にやってきた。

球界でも珍しい左投げ右打ちで、一塁と外野を守れる。フリー打撃では、ケージ裏から佐々岡監督が見守る中バットを振った。48スイングで柵越え1本だったが、コースに逆らわない打撃で中堅から右方向へ快音を響かせた。「強く振る意識ではなく、体と相談して良いスイングを心掛けながら。自分の特徴である中堅から右中間方向に打ち返すことを基本にして」。堅実な打撃をアピールした。

実戦プランも見えてきた。「状態は85~90%。あとの10%は2軍の試合に2、3試合でも出て上げていく」。佐々岡監督は1軍開幕日の25日からは、ウエスタン・リーグのオリックス3連戦(杉本商事BS)で実戦感覚を養わせる方針。「結果などの報告を聞いて(1軍に)行けるという報告があればだが、そのへんは見てから」。その結果と内容次第では最短、本拠地開幕戦となる29日からの阪神3連戦で1軍デビューできるかもしれない。

チームはオープン戦16試合で43得点。1試合平均は2・7点にとどまった。新主砲候補が1日も早い1軍戦出場を目指し、急ピッチで調整を進めていく。【前山慎治】

◆ライアン・マクブルーム 1992年4月9日生まれ。米国出身。マイナー通算134発を誇る助っ人スラッガー。昨季は3Aで115試合に出場し、打率2割6分1厘、32本塁打。主なポジションは一塁と外野。190センチ、99キロ。左投げ右打ち。