中日2年目の高橋宏斗投手(19)が、初の本拠地マウンドとなるロッテ戦で5回1/3を投げ、2安打1失点。最速154キロの速球と切れ味鋭い変化球で毎回11三振を奪う圧巻投球で開幕ローテーション入りを確定させた。30日のDeNA戦(バンテリンドーム)が有力視される1軍デビュー戦に期待が高まった。

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初めての本拠地登板を完全支配した。153キロ直球で幕開けした宏斗ショーは6回、マーティンから毎回となる11個目の三振をスプリットで奪うまで続く。目安だった100球に到達し、清水にマウンドを譲ったが、2年目右腕の奪三振ショーに地元ファンは酔いしれた。

「課題をクリアして、いい感触の中で試合に臨めた。(本拠地のマウンドは)すごく投げやすかったです。そんなに三振を奪うピッチャーではないのですが、腕が振れていたのだと思います」。30日が予想される公式戦1軍デビューに向けた最終登板で潜在能力の高さを見せつけた右腕は最高の結果となった本拠デビューを振り返った。

最速154キロの直球は威力満点。課題だった変化球もスプリットは鋭く落ち、カットボールはコーナーをえぐる。ロッテ打線から面白いように三振を奪った。5回1死までは無安打。6回先頭の先頭高部に二塁打を許し、残した走者が降板後に生還。1失点となったが、地元へのお披露目式としてもインパクトは十分過ぎた。

中京大中京時代、最速154キロを記録した豊かな素材は1年間の2軍生活を経て、急成長の予感を漂わす。「(1年目に比べて)自信の持ち方が変わってきた。打者を抑える気持ちがこの1年でついてきたと思います」。メンタル面の変化も成長曲線の急カーブに拍車をかけている。

70球を超えたあたりからやや球速ダウン。イニング間が長いケースの準備の仕方など課題も見つかった。「6回途中で100球はちょっと多いですね。監督からは先発は7回投げろと言われてるので。課題も収穫も見つかったのでいいマウンドでした」。高卒2年目の大躍進へ、鋭い視線で開幕本番を見据えた。【安藤宏樹】