プロ野球が25日、3年ぶりに観客の入場制限なしで開幕した。6球場に18万4453人の観衆が詰めかけた。

【開幕戦】プロ野球開幕!新庄ビッグボス初陣飾れず…8回ソフトバンク・ガルビス逆転満塁弾/ライブ詳細>>

主役は日本ハム新庄剛志監督(50)。敵地では異例の開幕セレモニーに参加。開幕投手に大抜てきしたドラフト8位の北山亘基投手(22=京産大)が2回無失点、4番手に昨季10勝の伊藤、7回には26日の予告先発が発表になっていた堀を投入。8回表まではリードを保った。最終盤に逆転負けを食らったが、最後までスタンドのファンを楽しませた。

   ◇   ◇   ◇

【関連記事】日本ハムニュース一覧

「スタメンは、そんなに大事とは思っていない。全員で戦って行く」。そう腹を決めているから、BIGBOSSの選手起用は意外性たっぷりで大胆だ。

開幕戦の先発投手に大抜てきしたブルペン要員のドラフト8位北山は、なんとかピンチをしのぎ2回無失点。本来なら先発ローテ投手の加藤や伊藤をつぎ込む仰天の“マシンガン継投”で、極め付きは、開幕2戦目の26日に先発を控えている昨季パ・リーグ最優秀中継ぎ投手の堀を5番手でマウンドに送った。「こういう経験も、彼にとってはいい勉強になると思う」と、先を見据えた起用だった。

勝利は目前だった。1-0の8回、6番手の杉浦が走者をためて、7番手の西村が1死満塁からガルビスに手痛い1発を浴びた。それまでの6投手は投手コーチと話し合って登板を決めていたが、西村だけは監督自ら継投を決断した。「最後だけ西村君を用意してもらった。(杉浦の)フォークボールが(指に)引っ掛かっていて、ちょっと怖いと思ったので」とし「結果論。打たれたら『さあ、次は、やったろう』と思うはず」と、次回登板へ期待を込めた。

打線も、大砲タイプの今川を実戦で初めて1番に据え、オープン戦で12球団2位の5本塁打を放ちながら終盤は不調に陥っていた万波をスタメンから外すなど、思い切った。4回、石井の1発で終盤まではリードしていただけに「いや~惜しかったね。いいゲームだったんじゃないかな」。黒星スタートも明るく笑って、悔しさは、そっと胸に秘めた。【中島宙恵】