4番輝、開幕戦から飛ばしすぎ! まさかの逆転負けの中、2年目で初の開幕4番を務めた佐藤輝明内野手(23)が全開の3安打1打点で打線をけん引した。

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1点を追う2回先頭、ももいろクローバーZの「あんた飛ばしすぎ!!」で第1打席に入った。今季から奇数打席で採用した新登場曲。「飛ばしすぎ」とは正反対、三塁前へのボテボテのゴロに快足を飛ばした。一時同点につながる内野安打が今季初ヒット。4回2死二塁の第3打席では左中間への適時二塁打で初打点も挙げた。

「拓夢さん(中野)がチャンスメークしてくれたので、しっかりホームまでかえすことができてよかった」。直後、糸原の遊ゴロで三進を狙うと、タッチにきた村上への送球をスライディングで三塁ベンチ付近まで“飛ばしすぎ”、その間に一気に本塁も陥れた。

登場曲は「開幕してからのお楽しみです」と秘密にしてきた。この日が解禁日で、偶数打席は人気ヒップホップアーティスト、LEX(レックス)の「なんでも言っちゃって」で登場。アイドルソングとは別路線、お気に入りのヒップホップで気持ちを高め、3回第2打席では三塁線を破る二塁打。阪神の生え抜きでは1983年(昭58)の掛布以来、39年ぶりとなる開幕4番の猛打賞を決めた。

チームは15安打で8得点。昨季セ界王者ヤクルトに逆転負けを喫したが、新4番の佐藤輝を中心とした新打線が機能したことは大きな収穫だ。矢野監督は「いい流れでバッター陣がつないでくれた。バッターは明るい材料がいっぱいあると思う」とたたえた。背番号8は「切り替えて、1日1日、やることをやっていきたい」と逆襲を約束。猛打賞発進とくれば、次は京セラドーム大阪でプロ初の本塁打に期待がかかる。「飛ばしすぎ!!」を地でいく特大アーチで、今度こそ22年初勝利をもたらす。【中野椋】

▼阪神の開幕戦で先発4番打者が猛打賞を記録したのは、福留孝介の17年広島戦以来5年ぶり。9回に1号本塁打を放つなど、3安打した。生え抜き選手に限ると、掛布雅之が83年ヤクルト戦で尾花高夫から3安打して以来、39年ぶり。掛布は前年82年大洋(現DeNA)戦でも斉藤明雄から3安打しており、佐藤輝は2リーグ分立後の生え抜き開幕4番では2人目、3度目の猛打賞となった。

▼阪神の開幕戦での7点差逆転負けは、球団史上初の屈辱となった。球界全体で見ても、82年に西武が日本ハムに4回表まで7-0とリードしながら、10点を失い7-10で敗れたのに続き、球界2度目の出来事となった。

▼開幕戦での阪神の2桁失点は、93年中日戦12失点、01年巨人戦17失点、14年巨人戦12失点に続き4度目。