大逆転ヤ!! 2年連続日本一を目指すヤクルトが、若手野手陣の活躍で7点差をひっくり返す逆転劇で、阪神との開幕戦(京セラドーム大阪)を制した。初の開幕1軍でスタメンをつかんだ高卒3年目の長岡秀樹内野手(20)が4安打1打点の活躍。1点を追う9回は山田、サンタナの2発で試合を決めた。18年以来4年ぶり、就任3年目の高津監督にとっては初の白星発進となった。

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“ヤングスワローズ”が大逆転の起点になった。7点を追う6回2死一塁。長岡が適時二塁打でプロ初打点を挙げて、反撃の口火を切った。7回には高卒4年目の浜田が、代打でチーム1号となるソロ。さらに8回には高卒2年目で途中出場の内山壮にもプロ初打点が飛び出した。

若手のお膳立てで1点差に詰め寄った9回、無死から主軸の山田が値千金の同点ソロ。さらに無死一塁でサンタナが、2打席連発となる決勝2ランを放って試合を決めた。

猛打賞も含め、初ものずくめの激闘を終えた長岡はほっとした。「(遊撃の)守備で足を引っ張ってしまったので何としてでも取り返したかった。打てて良かった」と振り返った。1点リードの2回無死一塁、糸原の打球にグラブを出したが捕れずに中前打とし、失点につながった。だが山田から激励され、前を向いた。「顔ガチガチだったんですけど、哲人さんに『切り替えちゃえよ』と軽く言われ、ふっきれたのがあります」。初の1軍に7つ上の姉からも「自慢の弟だよ」と連絡が来たが「まだ返してないです」というほど慌ただしく、記憶に残る1日となった。

抜てきした若手の活躍に高津監督も「最後まで何が起こるか分からないのが野球。みんな頑張った成果。選手を誇りに思います」とたたえた。2年連続日本一へ、初戦から大きな収穫のある白星となった。【鈴木正章】

・ヤクルト山田(9回無死、同点の1号ソロ)「投手も野手もみんな諦めず何とかしようと頑張っていたし良い流れで自分に回ってきたので、その流れに乗って打たせてもらいました」

▼ヤクルトが1-8から逆転勝ち。ヤクルトが7点差以上の逆転勝ちは、10点差をひっくり返した17年7月26日中日戦(0-10→11-10)以来、5年ぶり。開幕戦の7点差逆転勝ちは、82年日本ハムが西武戦(0-7→10-7)で記録して以来2度目となる最大差逆転劇。日本ハムは本拠地の後楽園球場で記録しており、ビジターの開幕戦で7点差逆転は初めてだ。