ロッテ佐々木朗希投手(20)が、楽天戦であふれる可能性を示した。

今季初登板は初回、いきなり自己最速を1キロ更新する164キロをマーク。5連続奪三振の豪快な船出だったが3、6回と四球から失点し、6回を3失点。勝ち負けはつかず、チームは延長11回サヨナラ負けを喫した。次回は中6日で4月3日西武戦(ZOZOマリン)に臨む予定。先発ローテーション投手として、貪欲に白星を求める1年がスタートを切った。

   ◇   ◇   ◇

【ニッカン式スコア】27日の楽天-ロッテ戦詳細スコア

楽天ファンの勝利への余韻が耳に届く中で、背番号17は言った。「要所で四球を出してしまったり、反省するところはすごく多かったかなと思います」。6回3失点。チームを開幕連勝に導けなかった。

佐々木朗希のコールで、球場中に拍手が響いた。母校大船渡高の旗を持つ人もいた。「たくさんの声援をもらえて、すごくうれしかったです」。360度からの注目を集めた1回2死。浅村の内を突く初球が“164”と表示された。

じっくり進めた肉体強化が実り、約3年ぶりに自己最速を更新した。直前のキレのいい球が153キロと表示されたこともあり「ガンもそこまで安定してないと思うので、そういうところ(球速)は今日は気にせず、打者の反応だったりを意識して投げました」。

立ち上がり。160キロ前後の高めに楽天打線が手を出す。「いい緊張感で入れたと思います」と、1番西川から5者連続三振。2回までに投じた直球21球のうち7球で空を切らせた。しかし一転、3回は先頭への四球からピンチを招き、西川に変化球を2点二塁打とされた。「いい時は良かったんですけど、悪い時にはゾーンにも行かず、っていうちょっと極端なところが…」と反省した。

まだ143分の2。しかし1敗がシーズンの致命傷になりうることは、昨季141試合目でV逸したロッテの大きな学びでもある。「今日と同じ失敗をしないように。その中で1イニングでも長く投げられるように。次は全体的にまとめられるように」と仕事への責任感を口にした。

20歳になった。1086日間ついて回った、これまでの最速「163」キロはもう高校時代の記録でしかなくなった。165、166もそのうち…と詰めかけた2万人近くに抱かせたマウンド。それよりも、いかに勝てる投手になっていくか-。ファンの興味も、佐々木朗の思いに近づいてきた。【金子真仁】

○…井口監督は佐々木朗の6回86球での降板について「100球も近づいて、だいぶ変化球も浮いてましたしね」と説明。「またしっかり調整して投げてもらいたい」と話した。次回は中6日で4月3日西武戦(ZOZOマリン)に先発予定。日曜日のローテーションに入り、雨天中止がなければ今後は14週連続でデーゲームの先発になる。初のフルシーズン登板を見越すだけに、日常のリズム安定は追い風になりそうだ。