日体大が桜美林大との開幕戦を大勝した。プロ注目の二刀流・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)が、「3番投手」で先発出場。5回1安打無失点と好投すると、打者としては4打数4安打3打点と大暴れし、開幕勝利に導いた。昨秋優勝の東海大は筑波大を下し、連覇に向けて好スタートをきった。

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11球団27人のスカウトに、矢沢が投打で実力を見せつけた。マウンドでは自己最速タイの150キロを2度計測。縦横2種類のスライダーにチェンジアップ、フォークで緩急をつけ、直球狙いの桜美林大打線から6奪三振。5回1安打無失点で二塁すら踏ませなかった。それでも「もっといい投球が出来ると思います。今日は全然力を入れずに投げていたところもある」と、“余力”を残していた。

打者としては「率を残す打撃」がテーマ。オープン戦では右翼へ引っ張りの長打が多かったが、この日の4安打は右に2本、中堅と左に1本ずつ。単打を全方向に打ち分けた。古城隆利監督(52)は、「打撃練習が変わってきた。それまでは強引に(右方向に)打っていたのに、逆方向に飛ばすようになったんです」。意識を変えた取り組みが結果に表れた。

今季の目標を「最優秀投手と首位打者を狙っていきたいと思っています」と宣言した。エンゼルス大谷ばりの投打二刀流が、今年のドラフトの目玉になる。【阿部泰斉】

▽巨人内田スカウト 全てにおいて優れています。打者としても足が速くていいポテンシャルの持ち主。(投げては)変化球もいい。縦横2種類のスライダーを投げて、キレがいい。

▽中日小山スカウト (投手としては)序盤は開幕戦の緊張もあってか、バランスが良くなかった部分もあった。5回くらいからだんだんと良くなり始めましたね。(打者としては)あれだけ振れて、しっかり結果残している。

▽桜美林大・津野裕幸監督(矢沢の前に1安打)「ストレートも、スライダーも、両方打つのは難しいなと…。ナイスピッチングでした」