中日が今季最初のファンクラブ(FC)デーを延長12回、逆転サヨナラ勝利で飾った。ベンチ入り9投手をすべて投入した12回には根尾がブルペンで準備する総力戦。今季初の連勝を呼び込んだのは立浪監督が野手キャプテンに指名した大島と秘蔵っ子・岡林の新1・2番コンビだった。

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1点を勝ち越された12回1死一塁。難攻不落の守護神・広島栗林を初回、通算250盗塁を達成していた大島がとらえた。この試合1号ソロを含む4安打目は右中間を破る同点三塁打。続く岡林の二塁への内野安打で生還する。「あれ、勝ったのかな」。立浪監督も興奮を隠せない幕切れとなった。

勝ち越しを許した12回表は山本、福、森と3投手をつぎ込み、まさかの事態に備えて根尾をスタンバイさせた。「もしアクシデントがあった場合は根尾がいるということで一応、キャッチボールはさせていました」。攻撃面でも9回2死三塁のサヨナラ機に不振の石川昂に代打平田を送るなど、決め手に欠く状況で厳しい決断も求められた。そして幻の「投手・根尾」。執念で手にした初の連勝。「(ファンにとって)ストレスのたまる試合が多かったので1試合でも多く、こういう戦いをやっていきたい」。新指揮官はファンにメッセージを送った。【安藤宏樹】

◆ファンクラブ応援デー 中日は2日の広島2回戦で今季初のファンクラブ応援デーを実施。背中の名前を、それぞれの選手が考えたニックネームに変更した。主砲ビシエドは「TANQUE」。5番阿部は「MASTER」で、サヨナラ打の岡林は「GUN-BAYASHI」。ブルペン待機の根尾は「AKIRA」だった。このイベントは、本拠地で今季6試合を予定している。

▽中日岡林(広島栗林からプロ初のサヨナラ打)「どんな形でも(三塁走者の)大島さんをかえそうという気持ちしかなかった。迷ったらだめだと思い切って、振った結果が(二塁への内野安打となり)よかったです」

▽中日森(12回表2死から9番手で登板、逆転サヨナラでプロ初勝利)「まずチームが勝ててよかったです。次は抑えます」

▽中日笠原(今季初先発で6回3安打2失点)「初回、ばたついてしまいましたけど、テンポよく投げることを意識しました。自分らしい投球ができたかなと思います」

▽中日大島(初回の今季初盗塁は通算250個目。延長12回は逆転サヨナラに導く同点三塁打)「後ろにつなごうと打席に入った。いいところ(右中間)に飛んでくれました。(250盗塁は2年越しでの到達で)やっと決められてよかったです」