中日が今季2度目のサヨナラ勝ちで3連勝とした。0-0の延長10回1死一、二塁。大島洋平外野手(36)が阪神の6番手加治屋のフォークを捉えた。右中間で弾む打球を見届けると、右拳を突き上げた。「ストライクと思った球を振ろうと思った。最後の最後に甘い球がきた」。お立ち台では「すっきりしました」と声を弾ませた。

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9回に登板した加治屋にビシエド、阿部、木下の右打者3人が全て空振り三振。10回1死から左打者がイニングまたぎの右腕を攻略した。京田が二塁打で出塁。立浪監督は代打根尾にベンチ前で耳打ちして送り出し、四球でつないだ。大島は2球連続でフォークを空振り。「チャンスでボールを振れば自分がピンチに追い込まれるけど、その(打ちにいく)姿勢が甘いボールを打った」と立浪監督。追い込まれても大島は動じず、3球目、甘く入った同じ球種を仕留めた。

阪神は先発予定だった伊藤将が新型コロナウイルス感染し、急きょ小川に代わった。4回まで1安打に抑えられ、立浪監督は5回に円陣を組んで「積極的に打ちにいく姿勢を見せろ」とゲキを飛ばしていた。緊迫したゲームで頼りになったのは昨秋、野手キャプテンに指名した大島だった。5年ぶりのサヨナラ打を含むマルチ安打でリーグ1位の打率4割をキープ。さすがの働きだった。チームは今季延長戦は3戦3勝とした。

ただ、首位巨人、2位広島の総得点は70点以上なのに対し、3位中日は50点。立浪監督は「点を取るのが難しい本拠地。打つ方はもっと奮起していかないと」。20年11月11日に最終戦を貯金5で終えて以来、2季ぶりの貯金2にも表情を引き締めた。竜が貯金ロードを突き進み始める。【伊東大介】

▽中日清水(4番手で延長10回を3者凡退に抑えて3勝目)「延長までみんなゼロで抑えてきた。自分も続きたいと思った」