エースが魂の投球で止めた! 広島大瀬良大地投手(30)がDeNA戦(マツダスタジアム)に先発。8回1/3を1失点と好投し、チームの連敗を4で止めた。プロ9年目で3番目に多い135球を投げ、今季3勝目。3連勝中のDeNAを退けた。4月までに3勝は15勝した18年以来4年ぶり。節目の通算70勝目でチームを2位に押し上げた。

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大瀬良は驚きと激励の拍手を背に、9回のマウンドに向かった。8回を終え6点リード。球数は111球。右腕の頭に「交代」の2文字はなかった。「いろんなものを背負って投げさせてもらっている。自覚もある。魂を込めて投げると試合前に(野手に)伝えていた。監督が『行くぞ』と言ってくれて意気に感じて」。宣言通りの覚悟を見せ、腕を振った。

先頭の牧に左翼フェンス直撃の三塁打を浴び、ソトを迎えた。フルカウントから芯を外した飛球は中堅手上本のダイブもむなしく、ポトリと落ちた。今季初の完封勝利は逃しても、動揺はなかった。続く大和を9個目の三振に仕留め、お役御免。抑えの栗林にバトンを渡した。「良吏(栗林)を出すということが今日の試合の重要性」と理解し、勝利を守護神に託した。

135球の力投が示すように、勝利への強い思いは登板前から燃えたぎっていた。チームが今季最長の4連敗で迎えた一戦。前日21日に3位に転落していた。「(連敗を)止めるのは僕しかいない」と意気込み十分だった。

大瀬良の力投に応え、打線は4試合ぶりの2桁安打。初回の4点先制を含む6得点と潤沢な援護をみせ、投打かみ合った。佐々岡監督は「大地(大瀬良)も相当気合が入っていた。良い投球だった」と絶賛。わずか1日で2位に戻った。エースがつくった良い流れを再び野手が継承していく。【前山慎治】

 

○…4番マクブルームが決勝打を放った。1回2死一塁からDeNAピープルズの116キロの緩い変化球を振り抜き、左中間を襲った。「チームメートが自分の前に塁に出てくれるので何とかしようと。とにかく走者を進める、そういう意識でした」。一塁走者西川を本塁に迎え入れる先制打が、4点奪取のビッグイニングの呼び水となった。

○…新人末包が2戦連続猛打賞を記録した。1回に右前への流し打ちで、開幕戦以来の適時打に「追い込まれるまではしっかり自分のスイングだとか、力強さを出していければと思っていました。追い込まれてからはどうやって塁に出るか、としっかり意識できた中での結果だったので良かった」。3回には左前に引っ張り、6回は三塁強襲。いずれも違う投手から3安打を記録し、打率を3割7分2厘まで上げた。

○…今季初めて打順を3番から8番に下げた小園が、約1カ月ぶりの適時打を含む2安打2打点と勝利に貢献した。1回2者連続適時打などで3点を先制して、なおも2死一、三塁でDeNAピープルズのカットボールを中前にはじき返した。「ちょっと浮いてきたカットボールをしっかりたたけたので良かったと思います」。3月29日阪神戦以来の適時打で一挙4得点に貢献。「ここからまたはい上がって行けるように」と表情を引き締めた。