完全投球を1球で止めた!オリックス福田周平外野手(29)が、初回の先頭打者でロッテ佐々木朗の初球159キロ直球を捉え、右安打を放った。17イニング、52打者連続で走者を許していなかった20歳右腕からの一打に「速いっすよ、やっぱり。速いっすね。ちょっとでも無駄な動きをすると、前に飛ばない」と、コンタクトに集中した。

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打球が右前に転がると、本拠地は沸いた。今季最多2万8967人の観衆に、1球でプロの意地を見せた。「初球を狙っていた」と明かす福田には、持論があった。「多分、みなさんは球速のことを言うと思うんですけど…。結局は160キロでも150キロでも、ベース板を通る。それは全員一緒」。チームで徹底した「指2本分バットを短く持つ」ことも守り、日本中の注目を背番号1に集めた。

前回対戦した10日、3三振を喫した吉田正も、佐々木朗から意地の2安打。「やっぱり、150キロ後半っていうのは、自分が思ってる以上にもう1個速く(バットを)出していかないと追い付かないと感じました」。クールに振り返ったが、打席ではリベンジに燃えていた。

佐々木朗への対策を問われた中嶋監督は「どんな作戦ですか? 見れるようなボールと違いますよ、あんなの」と苦笑いしたが、5回に右安打を放った安達らは打撃マシンを通常よりも近めに置いて、速球対策を練った。完全試合から2週間後、佐々木朗から6安打を放ち、5回でマウンドから降ろした。

試合結果は悔しい敗戦。借金2で4位に転落も、今後に生きる1試合にした。怪物右腕を相手に、昨年の優勝チームが全員で戦う姿を示した。【真柴健】