奇襲による揺さぶりも、勝利にはつながらなかった。日本ハムは26日オリックス4回戦(東京ドーム)で、延長の末、2-3で逆転負け。それでも、BIGBOSSは「負けはしたけど楽しいゲームを見せられたのは、うれしいなって思いました。皆、帰らないから」と、どこか充実感すら漂わせた。

鮮やかな攻撃で、難攻不落の相手エース山本から先取点を奪った。4回だ。先頭の近藤が左前打で出塁し、続く打席には4番松本剛。バントの構えで内野手の注意を引いて、カウント2-1からの4球目。打球は大きくバウンドし、前に出ていた三塁手の頭をふわりと越えて、左前に落ちた。無死一、三塁と好機を広げ、5番石井が先制の右前適時打。さらに、二盗を狙った一走の石井がスタートを切り、オリックスの捕手若月が二塁へ送球した隙に、三走の松本剛が2点目のホームを駆け抜けた。

山本からの3連打は、昨年5月28日のヤクルト以来。今月2日の対戦では、7回5安打無失点に封じられていただけに、新庄監督は「山本君から2点を取ったことは、成長でしょ。あれだけ、いい投手から。2~3点取れたら面白い試合になるかなと思っていた」と、悲愴(ひそう)感はまったくなかった。

チームは3連敗も「楽しいゲームにしたいっていう気持ちだけで、よく選手たちが踏ん張って、いいゲームをしてくれた」と、うなずいた指揮官。「ぶれない、ぶれない。徐々に成長してきている」。2桁借金は目前も、少しずつ前進するチームに手応えを感じている。【中島宙恵】

○…90球で完封した19日楽天戦に続く3勝目を狙った先発加藤だったが、2-0の8回1死一塁から紅林に左越え同点2ランを浴び、勝利への流れをつくることができなかった。「先制点を取ってもらい全体的にいい投球ができていたが、ホームランがすべてだと思う。野手がしっかり守ってくれていただけに、あの1球が悔やまれる」。この日も8回まで101球と上々のテンポで投げていたが、1発が響いた。

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