法大が劇的なサヨナラ勝ちで、慶大に今季初黒星をつけた。9回2死満塁、途中出場の内海貴斗内野手(3年=横浜)がリーグ戦初安打となるサヨナラ打を放った。東大は1点を追う9回1死、2年生でアメフト部から転部した阿久津怜生外野手(4年=宇都宮)がリーグ戦初本塁打の同点ソロ。2-2で早大と引き分けた。

   ◇   ◇   ◇

引き分けまで残り1死から、法大・内海貴が勝利を呼び込んだ。9回表の守備から途中出場。「打席が回ってこい」とベンチから祈り、4-4の9回2死満塁で好機が到来した。

加藤重雄監督(66)の「下半身はどっしり、とにかく振ってこい」という言葉通り、慶大ドラフト候補の橋本達弥投手(4年=長田)の初球139キロ変化球をバットに当てた。高く上がった打球は、左翼手の前にポトリと落ちるリーグ初安打。人生初のサヨナラ打に右拳を上げながら走り、ベンチから駆け寄ったチームメートとがっちりと抱き合った。「みんなの見たことないような笑顔を見られて、ああいいチームだなって思いました」と満面の笑みを浮かべた。

横浜では甲子園に2度出場。3年時の高校日本代表の候補合宿では、大船渡・佐々木朗希投手(現ロッテ)の163キロを打席で体感した打者としても話題になった。しかし法大ではなかなかリーグ戦に出られず、持ち味の打撃に磨きをかけて今春デビュー。昨オフは「楽な日は1日もなかった。毎日必死にやってきたことが出たかなと思います」。1安打で、確かな手応えをつかんだ。【保坂恭子】

◆内海貴斗(うつみ・たかと)2002年(平14)1月18日、神奈川県生まれ。世田谷西シニアから横浜へ進学し1年春からベンチ入り。2年夏の甲子園では1回戦の愛知産大三河戦でランニング本塁打。19年センバツにも出場。趣味はボウリング。182センチ、84キロ。右投げ左打ち。血液型はB。