桐光学園が2010年以来、12年ぶり4度目の春の頂点に立った。

序盤から打線が勢いづいた。1点の先制を許した初回、すぐさま同点に追い付くと、6番の磯貝一斗外野手(2年)が中前へ適時打を放ち、勝ち越した。

2回にも磯貝の適時打などで3点を奪い、ペースを握った。そのリードを先発の「背番号1」、針谷隼和投手(3年)が9回7安打2失点の完投で守り切った。最後の打者はあわや顔面直撃の投直を、抜群の反射神経でキャッチ。ナインに笑顔でたたえられた。

最速144キロ右腕は直球にカーブ、フォークと3球種を駆使。今大会準決勝までの5試合で45得点の桐蔭打線を交わした。「(三振2つと)打たせて取る自分らしい投球が出来ました。(神奈川の頂点に立ち)実感はあまりないですが、先を見ずに1試合1試合をやった結果だと思います。毎日練習してきて良かったです」と、冷静に喜んだ。

2018年から3回大会連続(20年はコロナ禍の影響で中止)で春準優勝だった同校が、雪辱を果たした。野呂雅之監督は「1つを達成できたと。その中でも選手たちは浮足立つような感じは見られません。また今日も帰って練習します」と、出場が決まっている関東大会(21~29日、栃木県)に向け、歩みを止めない。