最後の粘りも、1歩、届かなかった。日本ハムは今季3度目の1点差負け。終盤のスリリングな展開に、新庄監督は「惜しい結果になったけど、楽しいゲームにはなったと思います」。札幌ドームでは今季2番目に多い2万87人の観客に白星を届けられず、悔しがった。

BIGBOSSは試合前から“勘ピューター”の不調を感じていた。相手の先発は、楽天田中将。前回、敵地で対戦した4月19日は、宇佐見の1発で得点し逃げ切る大金星も、打ち崩すことは出来なかった。好調だったプロ8年目の浅間を初めて4番に据え、守備重視でオーダーを組んではみたものの「今日は(アイデアが)降りてこないな…」と、小首をかしげていた。本番も0-2の5回1死一、二塁から、上野がランエンドヒットのサインに空振り三振。「コンって当ててくれさえすれば…。そういう技術を身に付けて欲しい」と注文も、「ま、オレのミスでしょ」とうなずいた。

9回2死走者なしから、野村と近藤の連続長短打で1点を返し、なお満塁のビッグチャンスで、最後は途中出場のアルカンタラが3球三振に倒れて試合終了。149キロの初球ストライクにバットが出なかった助っ人に「『わ~』とはなるけど、分かる、あの気持ちも。メンディ(アルカンタラ)もいろいろ、考えての打席だったと思う」としながらも、「僕ならガツンと振りにいきますけどね」と残念がった。【中島宙恵】

○…近藤が意地の一打を放った。無得点で迎えた9回2死一塁、フェンス直撃の中越え適時二塁打で1点を返した。1点差に迫るも、追いつけず敗戦。「(先発)加藤さんが粘り強く投げていた中で、もっと早い段階で援護点を取りたかった。明日以降、今日のような接戦をしっかりものにしていけるようにしたい」と悔やんでいた。