取られたら取り返す。1点を追う3回1死一塁、西武山川穂高内野手(30)はフルカウントからロッテ小島の難しい内角球を回転してさばいた。「詰まった方があのコースは飛ぶ。反応できてよかった」。左翼ポール際、ギリギリでスタンドイン。2戦連発の逆転10号2ランを放った。

右太もも裏の肉離れで14試合欠場しながら、リーグ最速で2ケタ本塁打に到達。17試合目での10号はタイトルを獲得した18、19年よりもペースが速い。打率も好調だが「打率は100%落ちる。率を狙うより、ホームランを打てるスイングをし続けることの方が大事だと思う」。21安打のうち、約半分が本塁打という驚異的な割合を誇っている。

一塁手が定位置も、故障明けで起用されるDHでリズムをつかんできた。過去2年間もDH出場はあった。「その時は毎回、代打に行くような感じでしっくりこなかった。今年は裏にいる時やベンチに座っている時、一切バットに触っていない」。味方の守備中にバットから離れることで、守っている時と近い感覚で攻撃に移れるようになった。

ここまで1発を放った試合は不敗神話が継続中。「流れとか運もあると思うけど負けていても自分のことをまずはやる。それが一番、チームのためになる」。頼れる4番に導かれ、チームは勝率を5割に戻した。【鎌田良美】

▽西武山田(3回に3点目の左前適時打)「100点です。(好調の要因は)技術的なところもあるんですけど、やっぱり最後は執念」

▽西武高木(1軍昇格即、右翼で先発。5回、右中間への大飛球をジャンプして後ろ向きで好捕し、戻りきれなかった一塁走者も中継プレーで併殺に)「フェンス直撃かなと思いましたが、思ったより打球が失速していたので、いける! と判断しました」

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