猛虎の快勝を、子どもたちも信じていたのに…。阪神が2日連続満員札止めの甲子園で、ヤクルト相手に見せ場なく2試合連続の完封負けを食らった。

矢野燿大監督(53)は「悔しい」ともどかしさを募らせるが、ゴールデンウイークに全国各地から大勢訪れた子どもたちも、残念過ぎる連日の0行進だ。少年少女たちの声に発奮して、今日5日の「こどもの日」こそ夢いっぱいの白星を届けたい。

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2試合続けて甲子園のスコアボードに9個の「0」が並んだ。初回、先頭近本が左中間に二塁打を放ち、いきなりチャンスをつくるなど、得点機は7度もあったがホームが遠い。2日連続で満員札止め、4万2435人のスタンドからは、何度もため息がもれた。

42歳でリーグ最年長投手の石川を攻め切れず、4回以降は二塁すら踏めなかった。矢野監督は「そんなにコースいっぱい決まっているボールばかりではない。それを仕留められない。かえすところでかえせていない」と厳しい表情。頼りの3番佐藤輝、4番大山がそろって無安打でつながりを欠く打線を嘆いた。6連勝の立役者で40歳のチーム最年長、糸井が体調不良で2試合連続スタメンを外れた影響も少なくはなかった。

石川には2試合連続で白星を献上。今季ヤクルト戦は8試合で2勝6敗。ホームでは4戦連続完封負けで41イニング0行進が続く。5日は今季対戦は1勝1敗ながら、12イニングで2点しか取れていない高梨が先発してくる。今の阪神打線にとっては難敵だ。

この日もスタンドには子どもの姿が多かった。矢野監督ももどかしさが募る。「親子で東京とか遠くから、これだけ集まってくれているんで。何とかしたい。喜んで帰ってもらおうと思って臨んでいるけど。こういう試合で俺自身も悔しい」。4カードぶりの負け越しで、借金は再び12にふくらんだ。5日は「こどもの日」でチケットは3日連続で完売。夢を与えるはずの試合で、3連敗するわけにはいかない。【石橋隆雄】

 

▼阪神が2試合連続の完封負け。完封負けは今季8度目だが、2戦連続は3月26、27日に京セラドーム大阪でヤクルトに喫して以来今季2度目。前記2試合と今回2試合で、ホームのヤクルト戦は4戦連続完封負けとなった。3月25日の開幕戦の5回以降、ホームのヤクルト戦では41イニング無得点が続いている。

▼ヤクルト石川には4月23日に6回0封された試合に続き、5回無得点に抑えられた。阪神は石川に対して通算27勝を許すが、カード別で最も多い40の黒星をつけているが、今季は早くも2勝を献上してしまった。

○…5日のヤクルト戦に先発する阪神ガンケルが3連敗阻止を託された。4月末に訴えた右肩付近の張りは問題なく、中10日でのマウンド。甲子園でのヤクルト戦は通算6試合で2勝0敗1ホールド、防御率0・93の好相性で、今季初勝利も敵地でのヤクルト戦でつかんだ。「スワローズの打線はつながってくる。しっかり低めに丁寧に投げて抑えていきたい」。気合十分の“ツバメキラー”に連敗ストッパーの期待が掛かる。

○…阪神岩貞が1回を無失点に抑えた。0-3の追いかける展開で3番手で登板した。「ビハインドの場面だったので、チームを勢いづける投球を心がけました」。先頭はこの日長打を打っていたヤクルト6番長岡だったが、三ゴロで難なく仕留めると、8番内山壮を右飛、最後は山崎を三ゴロで料理した。岩貞はここまで8試合に登板し、失点はわずか1点。役割を果たし続けている。

○…阪神加治屋が4試合連続で無失点に抑えた。8回に登板し、ヤクルト1番塩見を遊ゴロ、2番青木を三直でアウトをとる。最後は山田を143キロのフォークでバットの空を切り、わずか7球でヤクルト打線を仕留めた。「自分のできることをやろうという気持ちでマウンドに上がりました。少ない球数で自分の投球ができて良かった」と胸をなで下ろした。

○…阪神斎藤が1回を0封した。9回に5番手でマウンドへ。ヤクルトの中軸との対決だったが、動じなかった。この日適時打を打っているヤクルト村上を二ゴロで仕留めた。その後もテンポのいい投球でオスナを初球で三飛、浜田を左飛と追加点を許さなかった。「0で抑えることができて良かったです。今後も今日のような投球を継続できるように、しっかり準備していきたい」と気を引き締めた。

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