何をやっても打てませんわ…。阪神は1軍復帰のジェフリー・マルテ内野手(30)を3番で起用したが、クリーンアップがそろって無安打と貧打は解消されず、今季10度目の完封負けを喫した。

広島戦は開幕から1度も勝てず、6連敗(1分けを挟む)。88年以来34年ぶりの屈辱を味わった。

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虎のゼロ行進は、もはやおなじみの光景となった。誰が先発オーダーに入っても、得点が入らない。阪神が今季10度目の0封負け。38試合目の2ケタ到達は球団最速で、まだ100試合以上を残しながら、昨シーズンの「11」に早くも王手をかけた。「みんなの状態が上がってこないと、線としては、なかなか攻撃はしにくい。投手が頑張っているのがずっと続いている。打線を何とかするしかない」と、矢野監督も迫力のない攻撃に頭を抱えるばかりだった。

起爆剤も不発に終わった。この日、右足コンディション不良から1軍に復帰したマルテを3番一塁で起用。2軍での調整は3試合9打席だけだったが、首脳陣は打線の低迷に早期昇格を決断。「もうちょっと調整してという形にしたかったが、こっちもきっかけが何かつくれたら」と指揮官も頼りにしたが、4打数無安打2三振と結果を残せなかった。

マルテの復帰により、大山を今季初めて左翼で使い、北條を6番三塁で今季初めて先発で起用。左腕床田に対し、5人の右打者を並べたが機能しなかった。4番佐藤輝、5番大山とクリーンアップは3人そろって無安打。北條と7番熊谷も音なしで、これでは点が取れるわけがない。

今季は広島に全く歯が立たない。開幕から1分けを挟み6連敗は34年ぶり3度目の屈辱だ。投手陣が3失点で踏ん張っただけに、打線の奮起が求められる。0封負けの球界最多は56年に大洋と東映が記録した31度。阪神はこのままだと37試合ペースだけにワースト記録の更新も見えてくる。11日の広島先発の九里は、前回対戦で7回途中2失点に抑えられた。沈黙の虎に、ファンのフラストレーションはたまるばかり。もうゼロ行進は見たくない。【石橋隆雄】

▼阪神が今季10度目の完封負け。38試合目での到達は球団最速で、過去ワーストの63年45試合目を59年ぶりに更新した。昨年の完封負けは11度。早くもあと1に迫ってしまった。

▼完封負けのプロ野球シーズン最多は31度で、いずれも56年の大洋(DeNA)と東映(日本ハム)が記録。今季の阪神は年間37度の完封負けを喫するペースで、球界ワーストを更新する恐れがある。

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