首位広島が13日から、0・5ゲーム差で迫る2位ヤクルトをマツダスタジアムで迎え撃つ。首位攻防3連戦で頼りになるのは、4番ライアン・マクブルーム内野手(30)だ。現在8試合連続安打と好調で、22試合連続出塁としぶとさもあわせ持つ。本塁打も5月に入って3発の量産モード。12日の阪神戦(甲子園)は雨天中止となったが、決意新たにツバメ退治に臨む。

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勢いに乗る男も天候には逆らえない。阪神戦の雨天中止が決まると、マクブルームは早々に甲子園をあとにした。今季2度目の中止に「もちろん、試合をやりたかった。野球をすることが自分の職業。チームの勝ちに毎晩貢献するというのが自分の気持ち」と、残念そうにバスに乗り込んだ。

バットで阪神戦3連勝を導きたかった。来日遅れで3、4月の打率は2割5分3厘にとどまったが、今月に入り、3日から8試合連続安打でヒット14本を量産。2打席連続本塁打も放つなど調子を上げている。「毎試合、毎試合、自分の持てる力を十分に発揮する。それだけは約束できる」。22試合連続出塁にも慢心はない。

海の向こうからのエールも、異国の地で戦う助っ人の支えとなる。4月9日に30歳の誕生日を迎え、2週間後の同24日に家族からプレゼントが届いた。「ピニャータ」と呼ばれるくす玉だった。メキシコなどで祝いの際に、天井からピニャータをつるしバットなどの棒でたたいて壊すという。パーティーに出た家族から贈られた。以前から「家族は大切な存在。家族のためにも戦う」と言っている助っ人が、プレゼントを介してパワーをもらう。「今夜(24日)バットで(くす玉を)壊すよ。中にキャンディーが入っていて、今夜食べるよ」と話していた。遠い米国からのサポートも好調を支える。

チームは前日11日、23日ぶりのセ界トップに返り咲いた。そして13日からはホームで2位ヤクルトとの首位攻防3連戦を迎える。一気に突き放して、首位固めといきたい3連戦だ。「どのチームと対戦しようが、気持ちは変わらない。チームに関係なく、自分たちの野球をしっかり実践する」。頼もしい4番が地に足着けて、打線を引っ張る。【前山慎治】

○…広島は4連勝で本拠地に戻り、0・5差で迫る2位ヤクルトを迎え撃つ。阪神戦が降雨中止となり、先発予定だったアンダーソンは15日に回ることが濃厚になった。この日のうちに広島に戻った佐々岡監督は「天気のことは仕方がない。いい休養ととらえたい」と13日の移動試合を回避を前向きに捉えた。今季1勝3敗のヤクルトとの首位攻防3連戦は大瀬良、森下の2本柱に、5日のデビュー戦で巨人を7回1安打0封した助っ人右腕で必勝を期す。

▽広島アンダーソン(来日2度目の登板は降雨中止に)「歴史がある球場(甲子園)で投げたい気持ちが強かったけど、雨には勝てません。(次回登板日は)チームの指示に従います」

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