鷹のエースが沈黙した。ソフトバンク千賀滉大投手(29)が6安打4失点で、今季最短となる4回でマウンドを降りた。ロッテ佐々木朗との今季2度目の投げ合いだったが、76球で2番手のレイにマウンドを譲った。「164キロ対決」は、試合開始から約1時間半で終了した。

本来の姿とは程遠かった。初回に1番高部、2番中村奨に連打を許し、3番マーティンには四球。1死満塁で5番レアードを迎えた。フルカウントからフォークが低めに外れ、押し出し四球で先制点を許す。苦笑いを浮かべるレアードと、表情を崩さない千賀。球場にかすかな悲鳴が渦巻くなか、次打者の岡には中犠飛で2点目を献上した。

3回には2死二、三塁でエチェバリアに左前2点適時打を浴びた。相手は完全試合男の佐々木朗だっただけに、重すぎる4失点。右腕は「野手の皆さん、キャッチャーの拓也(甲斐)に本当に申し訳ない。次の登板に向けて、しっかりとコンディションを整えます」と反省した。

千賀が先発で5回持たずに降板するのは、21年7月6日ロッテ戦(ZOZOマリン)で、3回途中10失点を喫して以来。本拠地に限ると19年8月17日の西武戦で3回9失点して以来、自身2度目だ。

この日は今季初の「ルーフオープンデー」として、ペイペイドームの屋根を開けた。球場には心地よい夜風が吹き込んでいたが、剛腕対決は早々に閉幕。千賀にとって4月14日以来、約1カ月ぶりの白星は、またもお預けとなった。【只松憲】

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