満弾! 広島ライアン・マクブルーム内野手(30)が1回無死満塁で来日初のグランドスラムを記録した。中日エース大野雄の出ばなをくじき、打線の12安打11得点の口火を切った。自身は28試合連続出塁で、打率は3割目前。日に日に調子を上げる助っ人とともに打線がつながり、連敗を4で止めた。

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まだ日が暮れないマツダスタジアムのボルテージを、一気に上げた。中日のエース大野雄の立ち上がりを攻めた1回無死満塁。マクブルームが、低めツーシームをすくい上げた打球は高々と舞い上がり、そのまま左翼席に吸い込まれた。広島ベンチ、スタンドを総立ちさせたグラウンドスラムが、大勝劇の号砲となった。

「グランドスラムは間違いなく初めての経験です。打った瞬間、感触が良かったですし、バックスピンもしっかりとかかっていて、方向も良かったので、確実にいったと思いました」

確かな手応えがある1発で、チームを勢いづけた。3回にも1点を追加すると、5回は打者10人で2四球に5安打が絡んで5得点。5点差の8回には当たりが止まっていた西川の猛打賞となる適時二塁打で突き放した。12安打11得点。4連敗の鬱憤(うっぷん)を今季5度目の2桁得点で晴らした。

自身の連続出塁を28試合に伸ばした助っ人のバットが連敗ストップに導いた。慣れない日本人投手の傾向は日々、ノートに記す。本拠地試合の試合前は、屋内ブルペンで速度を早めに設定した打撃マシンで目慣らしをするルーティンを確立した。日本になじもうとする姿勢もあり、打率は3割目前の2割9分7厘となった。

大勝による連敗ストップにも、佐々岡監督は「今日のようなホームランはなかなかないかもしれないけど、つないでつないで得点するというのは開幕からずっとやってきたこと」と手綱を締める。本塁打2発を含む5長打が出たこの日も、先制のきっかけは、1番野間の泥臭い内野安打。打者一巡した5回も、無死二塁からチャンスを広げる菊池涼の二ゴロが効果的だった。助っ人もすでに広島野球を理解している。「本塁打を打つことは約束できないけど、必ず約束できるのは、球場に来て一生懸命プレーをする姿。それは約束できる」。それこそまさに、開幕直後の快進撃にあった広島の姿だ。【前原淳】

 

○…1番復帰の野間がマルチ安打、マルチ得点を記録した。1回、一塁へのボテボテの当たりもスライディングで内野安打をもぎ取り、マクブルームの先制満弾につなげた。5回は右翼線への二塁打で打者一巡の攻撃をけん引。「いい形でとにかく後ろのバッターにつなぐことだけを考えた」。切り込み隊長の役割をきっちりこなした。佐々岡監督も「野手キャプテンとして引っ張らないといけないという気持ちだと思う」とたたえた。

○…広島大瀬良がリーグトップタイ5勝目を手にした。序盤から大量援護をもらうも、6回まで2被弾を含む5失点。球数が100球目前となった7回も続投し、8回まで投げ抜いた。「(登板が)2週間空いていたので、できるだけ長いイニングを投げたいなと思っていた。僕は行けるところまでというスタンス。結果的に8回まで、という感じです」。大量リードの中、8回121球を投げ抜いた試合後は、涼しい顔で投球を振り返った。

▽広島小園(5回に2号3ラン)「反応で打てました。入ると思わなかった。当たっただけだったので、びっくりしました。ゲッツー崩れでも何でもいいから(点が)入ればいいかなと思っていたので、結果的につながって良かったかなと思います」

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