日本生命セ・パ交流戦が24日に開幕し、阪神はパ首位の楽天を甲子園に迎え撃つ。

昨年の佐藤輝明内野手(23)は新人最多記録の6本塁打、同タイ記録の12打点で2位に貢献。今年も初戦の田中将、ロッテ佐々木朗ら好投手との対戦に腕をぶした。セ最下位に沈み「どうしたんや」「おいおいおい」と突っ込まれるが、首脳陣は「どうしたんや返し作戦」「逆おいおいおい作戦」と名前はゆるくても本気の反攻を狙っている。

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交流戦が終わるころには逆の意味で「阪神どうした?」と言われているかもしれない。倍返しの時がやってきた。昨年は11勝7敗で2位。1位のオリックスがリーグ制覇したように、交流戦はリーグ内順位を上げる格好のチャンスなのだ。

そんな交流戦を楽しみにしているのが佐藤輝だ。昨年は18試合で6本塁打、12打点と打ちまくった。24日の初戦で対戦する楽天田中からも本塁打を放ち、勝利に導いた。「大投手です。しっかり映像とか見ながらやりたい」。昨年に続いてマー君打ちを果たせば、間違いなく勢いづく。

対戦したい投手を聞かれると大笑いした。「佐々木朗希って言わせたいんでしょ? 楽しみですね。(完全試合は)すごい投球でした。速い、速い。でも、そういう投手からも打てないと勝てないので」。

その佐々木朗からは昨年、五輪期間中のエキシビションマッチで本塁打。155キロを打ち砕いた。交流戦ではプロ初勝利を献上したものの、佐藤輝は一時同点の適時打を見舞っている。オリックス山本、宮城や日本ハム伊藤ら一線級との対戦もあり得る。「そういう各チームのエース級と対戦できるのは楽しみですね」と頼もしかった。

今季はプロ野球史上ワーストの開幕17戦で1勝など、屈辱の連続だった。汚名返上の短期シリーズ18試合を前に、気前よく言ったのは井上ヘッドコーチだ。

「開幕から『どうしたんや阪神!』って言われたんで『どうしたんや返し』というかね。交流戦でしか、グッといくチャンスはないと思う。だから『おお、やっぱり阪神来たな』と。おいおいおい、と言われたのを『逆おいおいおい』作戦でいければな、と」

井上ヘッドは佐々木朗対策に「逆取材や。教えてくれ!」と苦笑いしたが、最近の打線の流れについては「負の連鎖は払拭(ふっしょく)されつつある」と手応え。投手陣に安定感があるだけに、カギは打撃陣。倍返しのためにテル様、おねしゃす!【柏原誠】

◆佐藤輝の21年交流戦 5月25日からのロッテ3連戦で10打数3安打と滑り出した。27日には佐々木朗と対戦。2回に152キロ直球を左前に流し打ち、一時同点の適時打。28日西武戦では3本塁打の大爆発。新人の1試合3発は、58年長嶋(巨人)以来63年ぶり4人目だった。6月3日オリックス戦、6日ソフトバンク戦、12日楽天戦でも本塁打を放ち、計6本塁打で新人の交流戦最多記録を更新した。12打点は19年中川(オリックス)と並び新人最多。打率も2割9分6厘と、初顔合わせのパの好投手たちを打った。

 

○…矢野監督も攻撃陣にハッパを掛けた。交流戦前までチーム防御率はリーグ2位の2・92だが、打率は同最下位の2割2分4厘。「どう点を取っていくのかが課題ではあると思う。うちの持ち味は投手が頑張るというところだと思うけど、少ないチャンスの中でやっぱり点を取らないと勝てない」。監督就任後、交流戦は中止となった20年を除いて2シーズンで通算17勝17敗2分けと勝率5割。昨季は優勝したオリックスに次いで2位だった。

▼阪神は昨季の交流戦で、6月8日の日本ハム戦から同13日の楽天戦まで6連勝で終えた。これは08年6月4日楽天戦から同11日西武戦までの6連勝と並び交流戦の球団最長。阪神が24日の楽天戦に勝てば、2年越しながら最長連勝を更新する。

 

○…西純が25日の楽天戦でプロ2度目の交流戦先発を迎える。前回18日ヤクルト戦でプロ初完投、自身最多の115球を投げた。肩肘について「体力がある方だと思っているので、特別張っているとかはなくていつも通りの感じ」と問題なさそう。パ首位との対戦に「自分のやることは一緒なので、試合ではやることをできるように準備したい」と気を引き締めた。

○…来日1年目の右腕ウィルカーソンが初の交流戦に臨む。28日ロッテ戦(ZOZOマリン)の先発が予想され、「前回のような投球ができればチームの勝利に貢献できる」と意気込んだ。対戦したい打者は「アイ、ドント、ノー」と研究はこれから。前回21日巨人戦は来日最長7回を無失点で3勝目を挙げており、勢いに乗ってリーグ関係なく仕事を全うする。

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