元ロッテ渡辺俊介氏(45=現日本製鉄かずさマジック監督)の長男、東大・渡辺向輝投手(1年=海城)が神宮デビューした。1-7の4回2死二、三塁、3番手でマウンドへ。サイドスローからの直球、スライダー、カーブ、シンカーで慶大打線に立ち向かった。0回2/3を18球、被安打3の2失点とほろ苦い結果だったが「ものすごい緊張した。プロが使っている球場で試合ができるのが新鮮で、東大野球部に入ってよかったなと思いました」と笑顔で振り返った。

“サブマリン”の父と「絶対比較される」と、上手投げにこだわってきた。しかし、海城高3年の東東京大会前に、登板過多で右肩を痛めた。それでも投げるために「親のまねをするのは悔しかったけど、映像をたくさん見ました」とアンダースローに挑戦。現在は、上手とサイドの両方を練習中だ。

得意科目は英語と数学。昨年の部活引退後に猛勉強し、模試での合格判定はEからBに急上昇。現役で理科2類に入った。今年の東大1年生投手では、この試合で最速デビュー。次に狙うはリーグ戦だ。受験のため体重は4キロ減の59キロまで落ちた。秋を見据え「夏の期間は、体作りに重点を置こうかなと思っています」と足元をしっかり見つめた。【保坂恭子】