ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」の巨人戦(東京ドーム)で5連勝を飾り、球団通算5500勝を達成した。巨人に次ぎ2球団目で、パ・リーグでは初めて。3-1の5回1死満塁。前夜に5三振を喫した柳田悠岐外野手(33)が走者一掃の適時二塁打で試合を決めた。2カード連続の勝ち越しで、交流戦は単独首位となり、リーグ首位もキープした。

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歴史的勝利の主役はまたこの男だった。2点リードの5回1死満塁。赤星の初球149キロ直球を、左中間に運んだ。敵地ながら大歓声に包まれる。中押しの走者一掃二塁打で、勝利を決定づけた。「満塁のチャンスで結果を出すことができて良かったです」。5月4日には決勝ソロで、2リーグ制後ではパ最速の5000勝に導いた。あれから約1カ月、今度は球団創設からの5500勝を呼び込んだ。

柳田 5500勝の中で、何勝かに貢献できているのは誇らしいです。

鬱憤(うっぷん)を晴らした。前日5月31日の巨人戦では、5三振。球団史上初の屈辱を味わったが、一夜で汚名返上した。「昨日のゲームで5三振をしているので、このチャンスではコンパクトに当てにいきました」。試合前に王球団会長から打撃指導を受け、藤本監督は「柳田は今日、爆発するよ」と予言が出た。村上打撃コーチからは「当てにいくのだけはダメ」とくぎを刺された。数々の期待に応え、二塁ベース上でギータスマイルを見せた。

1938年に南海が発足してから85年目。これまで5500勝に到達しているのは巨人のみで、パ・リーグでは初の栄光を手にした。指揮官の声も弾んだ。

藤本監督 歴代監督やホークスOBが積み重ねたものであって、たまたま僕がこの時期に監督をさせていただいているということ。記念すべき5500勝で監督していることに喜びは感じてます。いい言葉でしょ?

今季3度目の5連勝で、2カード連続の勝ち越しを決めた。並んでいたヤクルト、西武をかわし、交流戦単独首位に立ち、リーグ首位もがっちりキープ。6月を最高の形で滑り出した。2年ぶりのリーグ優勝と日本一奪還へ。ソフトバンクの逆襲はここからだ。【只松憲】

○…東浜が7回3失点でハーラートップに並ぶ5勝目を手にした。全てソロ本塁打という狭い東京ドームならではの失点だったが、粘った。試合後は「ホームランを3本打たれているので反省が多い。野手の皆さんが点を取ってくれて勝ちをつけていただいた。チームに感謝したい」と打線に頭を下げた。

王貞治球団会長(巨人に次ぐ通算5500勝達成に)「すごいね。5500勝だったら(球団創立から)何十年? 巨人軍は一番最初にプロ野球になっているからね。まあ、でもパ・リーグでは一番だし、この一番をどんどん積み重ねてね。いずれはジャイアンツを抜けるように頑張りましょう」

▼球団通算5500勝=ソフトバンク 1日の巨人2回戦(東京ドーム)に勝利して達成。初勝利は南海時代の38年9月6日の金鯱戦(後楽園)で、通算成績は5500勝4885敗398分け。5500勝到達は巨人6158勝に次いで2球団目。

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