打席でも「残念そこは辰己」!? 楽天辰己涼介外野手(25)が、球団史上初の1イニング2本塁打を決めた。史上21人目23度目で、18年阪神大山、パ・リーグでは01年ダイエー・ミッチェル以来。普段からかわいがってもらっている先発則本を援護した。これまで持ち味の脚力を生かしたダイナミックな守備が注目されてきたが、今季は課題の打撃が少しずつ改善。今年はバットでも魅了する。

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自画自賛の2発だった。2回1死走者なしで迎えた第1打席。カウント3-1から内角141キロ直球を捉えた。「ナイスバッティングでしたね。素晴らしい」と、右翼席中段へ4号先制ソロ。2死一、二塁でこの回2度目の打席が回ってくると、今度も内角球を振り切った。5号3ラン。142キロ直球を右中間席へたたき込んだ。この日2度目のホームラン談話も「ナイスバッティングでしたね。素晴らしい」。2本とも、抜群の手応えだった。

人生で初めての1イニング2発。お立ち台では「昔はよく打ってたんですけどプロの舞台でも打てるとは思いませんでした」と真顔でボケた。独特な言い回しと感性でファンの心をつかむ“辰己劇場”だが、今季は危機感を持って臨んでいる。

18年ドラフト1位で入団も、昨季までの3年間は、いずれのシーズンも打率2割3分を切った。「成長しないと立場的にも危なくなってくる。今年は死に物狂いでやっている」。試合後は渡辺打撃コーチに打撃投手を務めてもらい、打ち込む日々を送っている。「元々、好不調の波が荒い選手ではある。その波を安定させられるように。大振りにならんようにだけやっていきたい」とバットの軌道やフォームを日々確認、修正している。

渡辺コーチとの試合後練は、本拠地ゲームの後は毎日行う。「直人さんから『何とかしてあげたいんや』って声をかけてもらって、そこからやるようになった。毎日投げていただいて。ほんまにいろんな方にサポートしてもらっている」と感謝する。

今季はここまで打率2割7分1厘。ファンからは好守備に対して「残念そこは辰己」の声が上がる。バットでも、そう評される存在になりたい。2発の裏には、ひょうきんな性格の内側に秘める並々ならぬ闘志がある。【湯本勝大】

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