東洋大(2部1位)が中大(1部6位)に先勝し、21年春以来の1部復帰に王手をかけた。

先発の細野晴希投手(3年=東亜学園)は、自己最速を更新する155キロを記録するなど、150キロ台を連発。6回1/3を7安打5奪三振2失点。粘りの投球で勝利に導いた。

細野は「155キロが出たのは初めてです。いつも150台前半は出るんですけど、今日は力が入って投げてしまっていた。そこが良くなかった」と大台到達も、反省点を多めに振り返った。

打線は5回に流れが変わった。0-0と同点の1死二塁。9番の橋本吏功(りく)外野手(3年=花咲徳栄)の打球が、中大先発・西舘勇陽投手(3年=花巻東)の右足に直撃。打球が右前へ転がる間に二塁走者が生還し、先制を決めた。

なおも1死満塁の好機をつくると、3番の石上泰輝内野手(3年=徳島商)が右翼席最前列へ満塁本塁打。試合を決定づけた。

石上泰の1発は大学入学後初の公式戦本塁打で、人生初の満塁弾だった。「入るとは思わなかったですけど、タッチアップには十分な飛距離だなと。伸びてくれたので良かったです」と笑顔で話した。

21日の第2戦で勝利すると、1部復帰が決定する。杉本泰彦監督(62)は「1勝。あと1勝という感じです」と、短い言葉に力を込めた。