風穴をあけてくれ。18日に支配下選手契約を勝ち取った高卒3年目の広島持丸泰輝捕手(20)が21日にもプロ初の1軍昇格を果たす。

20日、マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加し、22日先発予定の遠藤や、23日先発予定のアンダーソンの球をブルペンで受けたとみられる。チームは現在、今季ワーストの5連敗中。借金も「5」まで膨れ、苦しい状態が続いている。育成出身捕手が初の1軍合流で反撃ののろしを上げる。

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投手陣から歓迎の拍手が沸く。もはや歓迎は投手だけにとどまらない。5連敗中のチームにとっても、その合流が待望であることに変わりはない。持丸が20日、マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加した。すでに集まっていた投手陣の輪に加わり、ひと言話すと喝采で迎えられた。「目標が『1軍の舞台でプレーする』(に加えて)『積み重ねて活躍する』というのが新たにできた」。1軍昇格はゴールでなくスタートだと強調した。

21日からの阪神3連戦でのスタメンマスクも見えてきた。倉バッテリーコーチは「(阪神)2戦目か3戦目か、どこでいくかは分からないが、どこかでいきたい」とスタメン起用を示唆。持丸自身も2戦目先発予定の遠藤、同3戦目のアンダーソン両投手のブルペン投球を捕球した。「遠藤さんは真っすぐも低めに力強い球がきていた。アンディ(アンダーソン)は打者を想定して、より実戦に近い形で話しながらできた」。きたる実戦機会に備えている。「受けていて気持ちが高ぶる部分もあった。楽しさが湧き出てきた。もし先発と言われたら、頑張りたい」。本拠地でのプロデビューに向け気持ちを高揚させる。

注がれていた期待をようやく体現できるラインに並んだ。春季キャンプは3年目にして初めて1軍で消化。オープン戦最終戦の3月20日ソフトバンク戦(マツダスタジアム)までフル同行した。「1軍投手の球を見て、自分の中でしっかり振れるようになったという感覚がある」。3月のオープン戦ではDeNA上茶谷から本塁打を放つなど、パンチ力も兼ね備える。

「今まで教わってきたことを全部出すだけ。それ以上のことは出せない。今できることを精いっぱいやりたい」

支配下選手契約を勝ち取ったばかりの高卒3年目捕手が、5連敗中のチームの雰囲気を変える。【前山慎治】

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