阪神がサヨナラで3連勝を飾った。途中出場の熊谷敬宥内野手(26)が同点の延長11回2死一、三塁で右中間を破り、4時間16分の熱戦に終止符を打った。

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阪神の劇的サヨナラ勝ちに、佐藤輝明内野手(23)のレーザービームも欠かせなかった。5-5同点の延長10回2死一、二塁。石橋の右前安打で勝ち越し点を奪われたかに思われた。だが、ワンバウンドでつかむと、捕手梅野のミットを目がけて、低く強いノーバウンド送球。二塁走者石岡が頭からホームに突っ込んだが、楽々アウトのタイミングで刺した。鬼肩発動の超スーパープレーに甲子園は大歓声。本塁後方でバックアップしていた湯浅も、ホッとした表情でグラブをバンバンたたいて喜んだ。

勝ち越し点を与えていれば敗色ムードの大ピンチ。矢野監督も「輝のいいバックホームもあったし。本当に全員が何かしら絡んでいる」とたたえた。4番三塁で出場したこの日は9回から右翼に回っており、今季2つ目の外野補殺がここ一番で出た。終盤に右翼へ戻ることが多いが、1試合で2つのポジションを器用に守るだけでなく、昨季リーグ3位タイの7補殺を記録した強肩も、相手の得点を阻止する大きな武器だ。

打ってはスタメン野手の中でただひとり、6打数無安打に終わった。3回、7回には中堅に大飛球を飛ばしたが、フェンス手前で失速。交流戦最後の12日オリックス戦(京セラドーム大阪)以来、9試合本塁打が出ていない。本拠地甲子園では、4月15日巨人戦の4号2ラン以来、昨季に並ぶ最長タイの27試合、116打席ノーアーチが続いている。1日も早い甲子園弾を見たいが、鬼肩で防いだ“打点1”も佐藤輝ならではの魅力だ。

28日からは今季打率5割、3本塁打、4打点と打ちまくる横浜スタジアムでDeNAとの3連戦。好相性の敵地で、そろそろ強烈なアーチが飛び出すか。【石橋隆雄】

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