今日にも3冠ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、今季5度目の2打席連続アーチを決め、チームを13カード連続の勝ち越しに導いた。

8回に3戦連発となる28号2ランを放ち、9回にダメ押しの29号2ラン。3安打4打点で打率を3割2分まで引き上げ、首位打者のDeNA佐野に1厘差に迫った。DeNAが勝ち史上初の6月中のマジック点灯こそならなかったが、2リーグ制後最短の7月1日のM点灯の可能性は残した。

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“村神様”のバットが止まらない。まずは2点リードの8回無死一塁。村上はカウント2-0からの3球目、真ん中に入った131キロスライダーを逃さず捉え左中間席に運んだ。終盤でリードを広げる1発。広島ファンのため息を背に、悠然とダイヤモンドを周回し「点を取られた後だったので、何とか追加点が欲しかった。しっかりと押し込むことが出来ました」と喜んだ。

そして9回。山田の適時打で点差を6点に広げ、なお無死一塁から、再びたたき込んだ。松本の4球目、甘く入った118キロをきっちり捉えた。打球は8回のVTRを見るかのように、同じく左中間席に吸い込まれた。2万4052人の観衆のどよめきを呼んだ1発にも「自分のスイングすることを心掛けて打席に入りました。良い角度で上がってくれました」と淡々。今季7度目となる1試合2発に「どっちもいい感じで打てたので。イメージ通りです」とうなずいた。

この日の4打点で月間35打点。13年8月にバレンティンがマークした球団記録に並んだ。29本塁打、78打点は両リーグ断トツ。打率も3割2分まで引き上げ、大目標に掲げる「3冠王」もいよいよ手の届く位置にきた。絶好調と思える状態だが「『ゾーン』には入っていないですけど、今は本当に精神的にもいい状態で打席に立ててますし、それがいい方向につながっていると思います」と冷静そのもの。連日の大活躍も「でも終わったことなんで。また明日、同じように打って勝てるように頑張りたいと思います」と切り替えて先を見据えた。

“村神様”に導かれるようにチームは13カード連続の勝ち越し。2リーグ制後初の6月中の優勝マジック点灯こそならなかったが、最速で7月1日にも「M」が点灯する。【鈴木正章】

◆村神様 ファンの期待に応える神懸かり的な本塁打を放つ村上に対し、ネット上でささやかれるようになった言葉。20年8月には球団がオンライン受注生産で「村神様」ステッカーを販売。MVPを受賞した今季交流戦後には「村神降臨」とプリントされたTシャツやタオルなどを販売。“球団公認”の愛称となっている。

▽ヤクルト高津監督(村上に) ベンチから見ていて雰囲気はすごく感じます。ということは、相手ベンチはもっと感じているのかなと思います。

○…山田哲人内野手が15号先制ソロを放ち、勝利に貢献した。4回無死、広島遠藤に対しカウント0-2からの3球目、高め141キロ直球を左翼席上段へ。18日広島戦(神宮)以来、9試合ぶりの1発に「追い込まれていたが、しっかりと振り抜くことが出来ました。先制することが出来て良かったです」と喜んだ。村上との「YMアベック弾」は今季6度目。8回と9回にも安打を放つ猛打賞の活躍に、高津監督も「強いスイングが戻ってきた感じはします」と納得の表情だった。

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