阪神近本光司外野手(27)が連続試合安打を「29」に伸ばし、11年にマートンがマークした球団記録の「30」に王手をかけた。6回、近本の打球が右前へ抜けると、記録更新を期待する左翼の虎党が沸き上がった。

「今日はダメだなと思っていた」。1打席目は縦のスライダーで遊ゴロ、2打席目はチェンジアップで三ゴロ。変化球も多彩な相手先発の柳に抑えられていた。「柳がどうかというよりも、自分の問題。しっかり打ちにいってのタイミングに変えました」と、試合中に修正。第3打席は相手に合わせず、自分のスイングのタイミングを優先し4球目のカットボールをしっかりとらえた。

29試合連続安打は01年桧山進次郎(現日刊スポーツ評論家)を抜き、球団では単独2位、日本人最長。プロ野球歴代でも8位タイとなった。79年高橋慶彦(広島)の日本記録「33」も見えてきた。今季放った安打は99本となり入団以来4年連続100安打にもあと1本と迫った。

この日のウイニングボールをつかんだのは中堅手の近本だった。ベンチ前で出迎えた先発の才木に笑顔で手渡した。「同じ兵庫出身で、よくしゃべってくれる。これを機にケガなく頑張ってくれたらいいなと思います」。近本は社、才木は須磨翔風と同じ兵庫県の公立校出身。右肘手術を乗り越え再び1軍に帰ってきた後輩の頑張りをたたえた。5日からは本拠地甲子園に戻っての広島3連戦。記録更新がかかる近本のバットに、さらに注目が集まる。【石橋隆雄】

【関連記事】阪神ニュース一覧