ベテランの底力ヤ!! セ・リーグ投手最年長42歳のヤクルト石川雅規投手が、5回7安打3失点で今季5勝目を挙げた。今季初の中6日で先発し、持ち味の粘り強い投球で通算182勝目をマーク。対巨人戦は33勝目で歴代10傑入りした。チームは連敗を2で止め、優勝へのマジックを「50」に減らした。

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大量援護を背に石川が持ち味を発揮した。2発は浴びたが勝利投手の力投で、今季ワースト4連敗を喫した4月1日以来の3連敗を阻止した。「初回に勇気づけられる5点を取ってもらって、攻めるピッチングができました。5回3失点は悔しさが残りますけど、チームが勝って良かった」と振り返った。

ここまで登板翌日に登録抹消となり、中10日で次戦に備える起用が続いた。暑さで疲れも出てくる7月に「中6」で勝負強さを発揮。「僕らは行けと言われたゲームに、しっかりと準備して合わせるだけなので。10日だろうが、6日だろうが、しっかりとゲームメークするのが役割。違和感なく入れたのかな」とうなずいた。高津監督は「この後9連戦もありますし、オールスターまでエンジンをかけていく、アクセル踏んでいく時期にも入っていますし」と起用理由を説明。「今日が石川で良かったと思いました。ベテランがお手本じゃないですけど」と評価した。

プロ21年目。体調管理には人一倍気を配る。昨年から指輪型の活動量計「オーラリング」を導入。指にはめて体温や心拍数、呼吸数などを計測し、睡眠の質や体の状態などを数値として算出するもので、今では小川や高橋らチームメートにも広がっている。さらに練習時には直径30センチほどのヨガのサポート器具「ヨガホイール」も活用し、柔軟性向上に努める。最新機器も体に良いと聞けば積極的に試し、自身のコンディション維持につなげている。

巨人戦は2季ぶりの白星で通算33勝。勝率は5割を超えるが「長くやらせていただいて、勝利よりも悔しい思いの方が強いという印象」と得意意識はない。「どこのチームに投げても、しっかりと準備してやっていきたい」と、これからも特別視せずに投げ抜く決意だ。通算182勝は石井一久(現楽天GM兼監督)の日米通算勝利数と並んだ。「スワローズでも一緒にチームメートとしてやれて、そういう偉大な先輩たちに追いつけるように頑張っていきたい思いがある。また次の1勝を目指して頑張りたい」。目先の1勝を積み重ね、大目標の「200勝」を目指していく。【鈴木正章】

▼ヤクルト石川雅規が巨人戦通算33勝目を挙げた。巨人戦の通算勝利は金田(国鉄)の65勝が最多で、石川は川口(広島)に並ぶ10位タイ。

また、巨人戦は通算33勝30敗で勝ち越し。巨人戦30勝以上で勝ち越しは4人しかおらず、石川の勝率5割2分4厘は星野(中日)の5割3分に次ぐ高勝率。

○…8番長岡が二塁打3本の猛打賞で、下位打線からチームをけん引した。1回、3点を先制し、なお2死一、二塁。「(先発の)石川さんに1点でも多くという気持ちでした」と巨人シューメーカーから右翼線に2点適時二塁打を放ち、序盤の流れを引き寄せた。7回と9回にも二塁打から追加点のホームイン。3安打2得点で快勝に貢献した。

▽ヤクルト塩見(4回に12号ソロ)「チャンスメークする気持ちで打席に入りました。良い角度で上がってくれました」

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