<日本ハム1-5西武>◇18日◇札幌ドーム

中盤までにリードをつくって、ドラマなく試合を締める-。西武が今季の強さを象徴するような勝ち方で日本ハムに連勝。昨年4月16日以来の首位に立った。4回に相手のミスで2点をもらい、逆転に成功。6回には3点を追加し、そのまま逃げ切った。これで5回終了時でリードしていれば、34勝3敗。さらに6回終了時になると、36勝1敗になった。またも圧倒的な“逆転抑止力”を示し、貯金を今季最多の8に増やした。

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劇的な終盤など起こさせない。西武は輝き続ける投手力の看板がさび付かない。もし宣伝文句が必要ならば、こう書かれるはず…。

(1)5回までにリードしていれば、34勝3敗になりました。勝率92%です。

(2)6回までにリードしていれば、36勝1敗になりました。勝率97%です。

辻監督は「ビクビクしてるよ。最後まで」と言う。ただ、中盤までに多く得点を取っていた時、試合の9回を待たずとも、結末はほぼ“決まっている”。この日も、そうだった。

2-1と1点リードで5回裏の守備を迎えた。2死から連打と四球で満塁のピンチ。しかし、先発与座は同点を許さなかった。132キロ直球を清宮に中堅後方へ運ばれたが、白球は中堅手川越のグラブに収まった。5回まで8安打を浴びるも、4回に暴投とタイムリーエラーでもらった2点を死守。「短いイニングで代わって情けない。本当に感謝」と救援陣に頭を下げた。何とか粘って「勝利のパターン」(1)に突入させた。

6回に3得点を追加するなど「勝利のパターン」(2)の条件もクリア。与座の後は佐々木、本田、宮川、ボーとつないだ。勝ちパターンを使わなくても、案の定、5-1で試合は終わった。安打数は日本ハム12本に対し、西武6本。押されても結局、勝つ。指揮官は「うまいこと本当に踏ん張ってくれた」と目を細めた。

今季は「投手で勝つ試合を増やす」との認識を強めてきた。四球減の意識なども高めてきた。ただ他の具体的な好調の要因について、豊田投手コーチは「すごい小心者で…。それは言いたくない」。チーム防御率2・37、救援防御率1・55。試合だけでない。口も堅い。これから首位の座も固めていく。【上田悠太】

 

▼西武が昨年4月16日以来の首位に立った。5月11日時点の西武は18勝18敗1分けの勝率5割で、首位楽天から8・5ゲーム差つけられていたが、西武は前回優勝した19年も7月9日にあった最大8・5ゲーム差を逆転。過去に8・5ゲーム差以上をひっくり返した優勝は10度あり、そのうち西武が西鉄時代を含め58、63、98、19年と最多の4度記録。お家芸の大差逆転Vを今年も見せることができるか。

▽西武愛斗(6回1死満塁から右翼へ犠飛)「何とか追加点が欲しいところだったのでよかったです!」

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