剛球ショーが再び始まる。ロッテ佐々木朗希投手(20)が27日、愛媛・松山での「マイナビオールスターゲーム2022」第2戦に先発し、初の球宴登板を1回3安打1失点で終えた。

最速は162キロで、エンゼルス大谷翔平投手(14年=当時日本ハム)の持つ球宴日本人最速に並んだ。7月1日に右手中指のマメがつぶれて以降、初のマウンド。三振0ながら短いイニングを投げ終え、29日からのペナントレース後半戦への期待を高めた。

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入場時も、出場メンバーのコールでも、マウンドへ向かう時も、他のどのスターよりもプロ野球ファンがわいた。佐々木朗希への拍手がどよめきに変わったのは、全セ1番塩見に投じた初球158キロ。初の球宴、初の球場。最速164キロ右腕の放つ白い直線が、球都松山の空気を裂いた。

159、161と徐々に増速し、巨人ウォーカーに安打された162キロは、球宴での日本人最速記録になった。右手中指のマメをつぶしてから26日後の復帰マウンド。「160キロ、とりあえず出てくれてホッとしています」としつつ「走者を出さないように頑張ろうと思ったんですけど、2人目でセンター前打たれたので、悔しかったです」と負けん気の強さを出した。

平均球速158・7キロとはいえ23球中21球、直球を投げ込んだ。「もっと変化球投げたかったんですけど、サイン出なくて。松川のせいで打たれました」「村上選手なんかは本塁打以外はアウトにしてほしいなと思いました」と、いじり付きの朗希節も絶好調。夢舞台を満喫した。「どうにか1イニング投げ切れたので良かったなと思います」。患部の状態が戻り、実戦で制球良く投げ込めたことが最大の収穫だ。

どこが優勝してもおかしくない戦国パで、前半戦6勝1敗の右腕の今後の出来は、ロッテの命運を左右する。「後半戦、全試合投げられるように、1回も抹消せず最後まで投げきれるよう頑張ります」。どよめかせ、押し込む、希代のストレート。後半戦も佐々木朗希の名が列島にとどろく。【金子真仁】