背番号18がベールを脱いだ。DeNAのドラフト1位、小園健太投手(19)が4日、イースタン・リーグ楽天戦(横須賀)でプロ初の実戦登板を果たした。2点を追う7回に5番手で登場すると、11球でこの回を3者凡退に。最速は147キロだった。今春キャンプは1軍に参加したが、その後は2軍で体づくりを優先してきた。期待の152キロ右腕が大きな1歩を踏み出した。

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「ピッチャー小園!」。場内アナウンスが響くとスタンドから大きな拍手で迎えられた。「耳に入ってきましたし、すごく応援されてるんだなと感じてうれしかったです」。小園はゆっくりとマウンドへ。高3夏以来、1年ぶりの実戦マウンドに立った。

楽天横尾への初球、いきなりこの日最速の147キロを計測した。5球すべて真っすぐで右飛に仕留める。続く吉野とのドラ1対決も、直球1球で右飛に打ち取った。最後はカウント2-2からスプリットで沢野に一ゴロを打たせ、自らベースカバーに入って締めた。「力んだ部分もあるので納得まではいけてない。最初にしてはうまくまとまっていたかなと思います」。変化球の抜けや落ち具合など、課題を挙げながらも確かな実りを得た。

ゆっくり歩みを進めてきた。1軍入りした春季キャンプは新型コロナの濃厚接触者疑いで出遅れたが、2度のブルペン入り。体の大きさに比べると筋力が少なく、3月からは2軍でウエートトレーニングやフォーム固めに取り組んだ。体の張りなどでブルペンに入らない時期も2カ月ほどあった。その間、市和歌山でバッテリーを組んだロッテ松川ら同期が1軍で活躍していた。「すごいなと思いましたけど、自分は自分」。刺激にしつつ、割り切った。

身長は入団時から1センチほど伸び、体重も94キロまで増えた。仁志2軍監督は今後について「ある程度間隔をあけて、球数とイニングを徐々にのばしていく。成長段階にあるので慎重に。僕らはまだまだ先を見越して、小園を見ているので」。まだまだ、焦らない。

 

▽昨年ドラフト1位の現在

◆ヤクルト山下輝 昨秋の東京6大学リーグ戦で左尺骨を疲労骨折し、キャンプから2軍スタート。7月5日に2軍で初登板。

◆阪神森木大智 2軍では10試合3勝2敗、防御率3・67。今月1日のプロアマ記念試合ではU23NPB選抜で出場し1回無失点。

◆巨人大勢 初登板から7試合連続セーブのプロ野球新記録。25セーブを挙げる活躍も、7月20日にコロナ陽性判定。

◆広島黒原拓未 1軍で12試合0勝0敗、1ホールド、防御率6・52。5月5日に登録抹消され、7月17日にコロナ陽性判定。

◆中日ブライト健太 右肩痛や左脚肉離れなどで約2カ月離脱。2軍では6月30日オリックス戦で初本塁打を放つなど2本塁打。

◆オリックス椋木蓮 7月7日西武戦で初登板勝利。同20日の日本ハム戦では9回2死まで無安打無得点の快投。同25日にコロナ陽性判定。

◆ロッテ松川虎生 開幕戦でマスクをかぶるなど、1軍フル帯同。球宴ではファン投票で選出され、最年少での打点をマーク。

◆楽天吉野創士 2軍で主にセンターを守り、46試合、1本塁打、8打点、打率1割9分8厘。フレッシュ球宴にも出場。

◆ソフトバンク風間球打 右肘痛などの影響でリハビリ組として調整を続ける。公式戦での出場はなく、3軍でも出場がない。

◆西武隅田知一郎 3月26日オリックス戦で初登板勝利も、その後は打線の援護に恵まれず7連敗。7月15日にコロナ陽性判定。

◆日本ハム達孝太 2軍では7試合で0勝1敗、防御率1・50。7月3日にコロナ陽性判定も、フレッシュ球宴で先発登板。

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