ソフトバンクが「決死の継投策」で、一夜で2位に再浮上した。

0・5差で追っていた楽天との対決で、藤本博史監督(58)が8投手をつぎ込む積極継投を見せた。前日は12回引き分けで9投手が登板しており、この日救援した7人はすべて2連投。ポストシーズンを思わせる、鬼気迫る用兵で連敗を2で止めた。

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藤本監督の決断は早かった。先発杉山は4回まで1失点の粘投。5回1死一、二塁となったところで迷いなく継投策に入った。「5回は投げさせてやりたかったけど、ゲームには勝たないといけない。本当にしんどい先発だったと思うんですけど、よく投げてくれた」。エース千賀が新型コロナウイルス陽性で離脱した影響で、緊急登板となった杉山は、札幌から移動して先発するというスクランブルの状況でもあった。

2番手でマウンドを託したのは松本だ。藤本監督は「そういうところをストップしてくれるのは、今は松本ってなってるのでね。今は中継ぎ陣のジョーカーですね、松本はね」。期待に応え、松本は追加点を与えずピンチの芽を断った。

6回からは3番手椎野を投入。2死一、二塁からは左腕の嘉弥真を送り、西川を打ち取って火消しに成功した。7回に5番手の津森が島内の2ランで2点を奪われ、岡島にも中前打を許すと、ここでも6番手の泉を送り込む。3イニング連続で、イニング途中に投手を交代させる入念なベンチワークで、楽天の反撃を抑え込んだ。

前日4日の日本ハム戦は今季最長の4時間57分に及ぶロングゲームの末に引き分け。先発も含め9人の投手陣が登板していた。救援した7人はすべて2連投になったが、藤本監督は「本当はそこまで使いたくなかったんですけど、3連戦の頭をなんとか取りたいというのがあった」と執念をにじませた。

首位西武も勝ったためゲーム差3は変わらず。破った楽天とも0・5差という混戦状態は続く。7戦目にしてやっと、総力戦でつかんだ後半戦2勝目を浮上への足がかりにする。【山本大地】

▽ソフトバンク松本(2番手で5回1死一、二塁のピンチを抑え勝利投手に)「与えられたところで結果を出し続けるだけです。今日はいい仕事ができたし、チームが勝てたので良かったです」

▽ソフトバンク甲斐(7回、ダメ押しの2点適時三塁打を放ち)「打ったのは真っすぐです。何とかチームのためにという思いだけでした。終盤の大事な場面で大きい追加点を取ることができて良かった」

▽ソフトバンク松田(復帰即スタメンで初回に適時内野安打を放ち)「足です、足です、足です。追加点を取ることができて良かった。チームのピースとして帰ってきました。チームの勝ちに貢献、力になれるように頑張っていきます」

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