楽天宮森智志投手(24)が、プロ初勝利を挙げた。1点を追う5回に2番手として登板し、1回1安打無失点。打線が直後に逆転して、白星を手にした。

呉商(広島)、流通経大、四国IL・高知をへて、昨年育成ドラフト1位で入団。7月30日に支配下登録を勝ち取ったばかりだった。3戦目で早くも1勝。初めてのヒーローインタビューは初々しく、少しかみながら笑顔を見せていた。

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ビッグネームが並ぶソフトバンク打線に、宮森は全力で立ち向かった。先頭周東を中飛、今宮を右飛。牧原大に左前打を浴びたが、柳田を左飛に打ち取った。「ヒットは打たれてしまったんですけど、取りたいところでしっかりファウル取れたりしている」。日に日に自信をつけ、投球に手応えを感じている。

相手にも動じず、自分の投球を尽くす。幼い頃からマイペースでおっとりとした性格だった。食事も、1人で何時間もゆっくりと食べることもあった。兄でYoutuberのちゃがまらん・ひとし(26)は「本当にケンカした記憶はない。ゲームをして遊んだりとか」という。今でも気分転換は兄とのゲーム。オンラインでつながり「スマブラ」に打ち込む。昔はドクターマリオをよく使っていたが、今はクッパ。「ホテルじゃけんWi-Fi弱いかもしれんわ」と言いながら、遠征先でもプレーする。

四国IL・高知時代は、高知在住の兄に食事に連れて行ってもらったりもした。入寮時は兄家族からもらった財布を持参。「期待に応えられるように頑張りたい」と力を込めた。ルーキーイヤーで支配下登録、初勝利。「いい野球人生を送れています」と感慨深げだった。

いつも応援してくれる兄。動画を見続けることでYoutuberの兄の応援もしている。「これから1軍でもっと投げて、いい報告をずっと定期的に送れるようにしたいです。(ウイニングボールは)しっかり実家に送らせていただいて」と笑顔。立場が違うが、人に夢を与える仕事をしていることは変わらない。多くの人を楽しませる“宮森兄弟”は、スタートラインに立ったばかりだ。【湯本勝大】

▽ちゃがまらん・ひとし(弟の楽天宮森が初勝利を挙げ)「うれしいですね。まさかプロの1軍のすごい選手たちと戦って、勝利。あまり実感はわかないです。変わらず自分のマイペースで、頑張ってほしいです」

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