ありがとうなぎ~。阪神佐藤輝明内野手(23)がトドメの7点目をもぎ取った。

8回。2番島田が左中間へ決勝の適時二塁打を落とし、盛り上がる三塁側ベンチ。続く、近本も右前打で一、三塁とチャンスを拡大すると、若き4番が広島森浦のチェンジアップを豪快に打ち上げて中犠飛とした。勝利を呼び込む終盤の大仕事に舌も滑らか。3歳年上の先輩をお決まりのようにイジった。

「島田さんが目の前で最高のバッティングをしてくれて、なんとしても追加点を取りたい場面でしたし、(三塁走者の)島田さんの足なら、外野に運べば絶対にホームにかえってきてくれると思っていました。ありがとうなぎ。8月はうなぎの季節です」

また虎の歴史に名前を刻んだ。新人から2年連続60打点以上は球団初。セ新人では同じく21年71打点、22年61打点(7日現在)DeNA牧秀悟以来、8人目だ。着実に打点を積み上げる姿は、主軸打者としてチームに貢献している証拠。田淵や岡田ら歴史に名を刻む虎の生え抜き大打者たちがなし得なかった偉大な数字だ。

決して絶好調というわけではない。この日も投手ガンケルを含めてスタメンで音なしだったのは佐藤輝ただ1人。広島3連戦では14打席立ってヒットは1本だった。

5番を打つ大山が新型コロナ陽性のため、戦線を離脱。4番を張る23歳への重圧はさらに増している。思うようにいかなくても、悔しさを堪えながらもコメントを求められれば、先輩イジりで周囲を明るくするところはさすがの大物感だ。奇跡の大逆転へ。背番号8がどんな時も打線を引っ張る。【桝井聡】

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