BIGBOSSがGOSUKEにロックオンした。日本ハム新庄剛志監督(50)が、メッツ傘下3Aシラキュースの加藤豪将内野手(27)を来季の新戦力候補としてリストアップした。

13年ドラフト2巡目(全体66位)でヤンキース入りしてから10年目の今季、ブルージェイズでメジャー初安打をマークした不屈の精神や走力の高さを評価。獲得には今秋のドラフト会議での指名が必要で、球団に掛け合うことを示唆した。

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BIGBOSSが逆輸入での補強プランを温めていた。「加藤くん。ドラフトかければ、面白いかなって」。新庄監督が言及したのは、現在メ軍傘下のマイナー球団でプレーする加藤だ。直接メジャー球団と契約し、NPBでのプレー経験がない加藤を獲得にするには、ドラフト会議での指名が必要。「ちょっと(球団と)話をしたい」と、今秋の交渉権獲得への可能性を探る構えだ。

即戦力と期待して、BIGBOSS自らリストアップした。「足も速いらしいし、なんか根性もあるみたいだし」。走塁面への意識の高さや、気持ちの強さも選手を見極める上で重視してきた新庄監督にとって、うってつけの特長を持つのが加藤。さらに、5球団を渡り歩きながらも、高い目標を持ってプレーし続ける姿も「僕、そういう選手、すごい好きなんですよ」と、好感を持っている。

加藤は本職の二塁だけでなく、内外野はどこでも守れるユーティリティーさも魅力。ポジションや起用方法も含めて意外性あふれる采配のBIGBOSS野球にフィットする可能性も高い。何より、チーム内競争をさらに高める存在になり得ることも、獲得を検討する大きな狙いだ。

新庄監督は昨年11月の就任会見で「優勝なんか一切、目指しません。僕は!」と宣言した通り、今季は現有戦力の底上げと見極めに徹してきた。一方で、来季は「2位も6位も一緒なんで、トップしか考えていない。あ、1年契約でした…でも、気持ちは2年(笑い)」と、青写真を描く。

トライアウトと位置付けた今季の“合格者”を中心にしながら、今秋ドラフトではポジションを問わずに「即戦力を取りたい」と、球団に要望しながらチーム力のブラッシュアップをイメージするBIGBOSS。今季は猫の目打線のレギュラー陣も「固定していきながら、控えも分厚く」と構想する中で、加藤の動向も注視していく。【木下大輔】

◆加藤豪将(かとう・ごうすけ)1994年(平6)10月8日生まれ。米カリフォルニア州マウンテンビュー出身。両親は日本人。3歳で日本に移り神奈川で生活。6歳で米サンディエゴに戻り野球を始めた。ランチョバーナード高から13年ドラフト2巡目(全体66位)でヤンキース入団。19年にマーリンズ、21年パドレス、22年ブルージェイズ移籍。185センチ、89キロ。右投げ左打ち。左打ちに変更したのはイチローの影響。

◆今季の加藤 マイナー契約でブルージェイズのキャンプに参加。オープン戦で打率3割3分3厘、1本塁打、3打点、2盗塁と活躍し、プロ10年目で初めてメジャーに昇格した。開幕からベンチ入りし、3A降格を挟み8試合に出場し7打数1安打1打点。5月4日に戦力外通告を受け、同7日にウエーバーでメッツに移籍した。7日(日本時間8日)は3Aのリーハイバレー戦に6番二塁で出場し、6打数3安打1打点。今季3Aでは45試合で打率2割2分6厘、7本塁打、22打点、5盗塁。7月第2週にインターナショナル・リーグの週間MVP獲得。