広島森下暢仁投手(24)が首位ヤクルトを相手に、104球の完封劇を演じた。

立ち上がりからストライク先行で快調に飛ばすと、連打を許さずリズムに乗った。省エネ投球で1人で投げ抜き、後半戦に入って負担が増していた中継ぎ陣を休ませた。今季初の完封でチーム最多9勝目。苦戦が続いていたチームを勇気づける勝利となった。

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大きな拍手で送り出された9回のマウンドでも、快調に投げきった。8回まで89球の森下は2番から始まるヤクルト上位打線にも真っ向勝負を貫いた。山崎を三振に切り、山田は148キロで遊ゴロ。この日3安打されていた4番村上には、4球目真っすぐがこの日最速152キロを計測した。続く104球目カットボールで空を切らせた。「本当に最後、いい曲がり方をしてくれて勝てました。三振取りに行きました」。球界を代表する4番打者にリベンジし、今季初完封勝利を手にした。

序盤からリズム良く右腕を振った。球速140キロ後半が続いた真っすぐにはキレがあり、チェンジアップをより効果的にした。3番までの上位打線を封じて4番村上の前に走者を出さず、連打も許さなかった。「ここずっと3点とか点を取られることが多かったので、何とか1点を守りたいなと思っていました」。先頭を出した5回は次打者を三併殺、7回は三振ゲッツーに切った。

前回2日DeNA戦は4回5失点で降板と苦汁をなめた。昨年までの2年間で、責任投球回の5回を投げきれなかったのは1度だけ。今季はすでに2度味わった。苦しい日々も、浮上のきっかけはある。野球人生で初めて味わった苦しみは、大分商で握った硬式球への対応。「ちゃんとした回転にしないといけないなと、(投げ方が)意識的に変わったのはあのとき。フォーム的にも、感覚的にも縦回転になってきた」。シュート回転を矯正する意識と取り組みが今のフォームの礎となった。

後半戦に入り、先発陣の乱調が続いていた中での完封には大きな価値がある。佐々岡監督は「今日は森下が頑張ってくれました。1週間が始まる中で中継ぎを休ませられたことは大きいと思います」とうなずいた。チームトップ9勝目の“新・火曜日の男”が、投球でチームに弾みをつけた。【前原淳】

○…代役4番の西川が、2戦連続打点となる適時打で貴重な追加点を奪った。「特例2022」で出場選手登録抹消のマクブルームに代わり、昨年10月29日ヤクルト戦以来今季初めて4番で先発。1-0の8回無死三塁からヤクルト今野のフォークを拾って右前に落とした。「4番とも思っていない。とりあえずチャンスで回ってきたら打たな、というように思っていた。最後の最後にヒットになったことは良かった」。復帰戦から3戦連続安打と存在感を発揮している。

○…好調1番野間が先制点をもぎとった。3回1死から一塁線を破る当たりで一気に三塁を陥れた。続く菊池涼の三塁へのゴロの打球にスタートを切り、本塁に生還。足でもぎ取った先制点が決勝点となった。「何とか塁に出て、というのが僕の仕事なので。どんな形でもできればいいかなと思っている」。5回には左前打を放ち、5戦連続複数安打と好調を維持する。

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