1度は2軍落ちを命じられた助っ人が、神がかり的に打ちまくっている。阪神メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が、難敵の巨人山崎伊から突破口を開いた。0-0の投手戦が続いた7回先頭。初球の外角カーブに崩されながらも、バットの先で拾って左翼線へ。「何とか強い打球をと思っていた。タイミングが外れたけど、何とか持ちこたえることができたよ」。激走で無死二塁のチャンスをつくった。

続く佐藤輝の詰まり気味の左前安打で二塁からまたも激走して先制決勝のホームイン。一塁ベース上の佐藤輝に向かって笑顔で合図を送った。4回の第2打席でも中前安打を放ち、チームが苦戦した右腕相手にマルチ安打をマークした。

前回チームが山崎伊に8回無得点で白星を献上した4日、ロハスは不調で試合前に出場登録を抹消された。帰阪していたが、翌日5日に新型コロナウイルス陽性となった大山の代替選手として、わずか中1日で1軍に再招集。「大山さんのカバーが何とかできればと思っていた」。5日広島戦以降は打率3割9分4厘、4本塁打、9打点と驚異の活躍で、4番も任された。

「本当にいい感覚で試合に臨めている。今は本当にチームの勝利のためだけにプレーしたい。自分が頑張って日本シリーズ進出に力を出せれば」。推定2億6300万円の高年俸で2年契約の2年目。ここまでは期待外れだった。だがここにきて日本野球にようやく順応したのか、降格のショック療法が効いたのか、残留を猛アピール。当初の構想通り不動の3番になりそうな勢いだ。【石橋隆雄】

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